「プレッシャーで潰されないで」 早実・清宮、「憧れ」王さんの想い超えたプロ決意
重圧を力に変えて成長、プロ志望表明…「いずれは868本を目指せるような選手に」
「楽しみにしている。自分のバッティングをしてくれたらいい」とも語った王さんの言葉通り、この大会で1年生史上初の2試合連発を放つなど4強入り。怪物は本物の怪物となり、1年生ながら高校日本代表に選出されて以来、都の公式戦から注目を集め続けた。
プレッシャーに潰されないでほしい――。
そんな王さんの思いを自らの力で乗り越えた。「王貞治記念グラウンド」と冠した母校のグラウンドで汗を流し、2年秋から主将を務め、3年春のセンバツで甲子園に凱旋。本塁打を量産し、最後の夏の甲子園出場こそ逃したが、高校野球の歴代最多本塁打記録を樹立。U-18野球ワールドカップの日本代表に選ばれ、その記録を111本にまで伸ばした。
そして、9月21日、清宮は多数のメディアの目にさらされながら、プロ入りの希望を宣言した。押しも押されもしないドラフト目玉候補。かつての王さんがそうだったように、早実から直接プロ入りとなれば、母校の歴史で34年ぶりのことになる。すべては重圧に潰されずに大きくなった清宮の成長の証明でもある。
会見で「理想とする選手像は?」と問われると、こう答えた。
「早実の先輩である王貞治さんです。お会いしたり、プレーを見たりして、ずっと憧れを持ってやってきているので。いずれは868本を目指せるような選手になりたいです」
王さんの心配も杞憂に終わらせた希代の怪物は、プロの大海原にはばたこうとしている。