「プレッシャーで潰されないで」 早実・清宮、「憧れ」王さんの想い超えたプロ決意
2015年8月6日。王さんと清宮は“対面”していた。場所は甲子園球場。全国高校野球選手権大会の開会式だった。
1年夏に“対面”で報道陣に異例のお願い、王さんの心配を杞憂に終わらせた成長
早実・清宮幸太郎内野手が22日、プロ志望届を提出することを表明した。プロ入りか、進学か――。大きな注目を集めていた高校通算111発スラッガーの決断。会見では「いずれは868本を目指せるような選手になりたい」と王貞治さんのホームラン記録挑戦に意欲を見せた。
2015年8月6日。王さんと清宮は“対面”していた。
場所は甲子園球場。全国高校野球選手権大会の開会式だった。高校野球100年を記念し、王さんが始球式に登板。高校時代に投手として立ったマウンドから、見事なストライク投球を演じた。1年生で初の黒土を踏んだ清宮は、偉大なる先輩の勇姿に心震えたという。
そして、大役を終えた王さんは清宮について、こんな風に語っている。
「大変だよね。プレッシャーで潰されなきゃいいけど、お手柔らかに頼みますよ。育ててやってほしいね」
当時、日本中が清宮フィーバーに沸いていた。地方大会から連日、スポーツ紙の一面を飾り、劇的な試合の連続で甲子園に出場。高校球界に現れたニューヒーローに現地入り後も毎日、練習場にメディアが殺到。そんなさなか、王さんは後輩が重圧に押し潰されないよう、温かく見守ってほしいと報道陣に異例の“お願い”をしていた。
しかし、フィーバーはとどまるどころか、加速の一途をたどった。