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「注意深さもスキル」NBA名コーチが教える子供の集中力の高め方 楽しみながら実践できるドリル

米プロバスケットボール(NBA)レイカーズの八村塁が主催するプロジェクト「BLACK SAMURAI2025」が20日まで3日間、愛知・名古屋のIGアリーナで行われた。中高生を対象としたバスケキャンプでは、レブロン・ジェームズらも師事する名コーチ、フィル・ハンディ氏が熱血指導。コーチの指示を注意深く聴く重要性を強調し、集中力向上のためのドリルも実演した。

子どもたちに熱血指導をするフィル・ハンディコーチ【写真:鉾久真大】
子どもたちに熱血指導をするフィル・ハンディコーチ【写真:鉾久真大】

八村塁主催のプロジェクト「BLACK SAMURAI 2025」

 米プロバスケットボール(NBA)レイカーズの八村塁が主催するプロジェクト「BLACK SAMURAI2025」が20日まで3日間、愛知・名古屋のIGアリーナで行われた。中高生を対象としたバスケキャンプでは、レブロン・ジェームズらも師事する名コーチ、フィル・ハンディ氏が熱血指導。コーチの指示を注意深く聴く重要性を強調し、集中力向上のためのドリルも実演した。

「Paying attention is a skill(注意して聴くことはスキルだ)」

 153人のキャンプ参加者を前に、ハンディコーチは声を張り上げた。一つひとつのドリルには意図がある。ドリブルの回数やつくタイミングまで指定。実際にはディフェンダーがいなくても、「パスを出したらぶつからないように止まること」などと常に実戦を想定した動きを求めた。時間は有限。だからこそ、最大限の成果を出せるように「細部にこだわって!」と“質”を徹底して意識させた。

 そのために必要なのが指示の内容をしっかりと聴く力。八村も「NBAでは何回も言ってくれない。1回で聴けるように」と常に注意深くいることが重要だと念押しした。そして行われたのが「上下ゲーム」。八村から教わった日本語で「上!」「下!」と叫ぶハンディコーチの声に従い、即座に体を起こしたり、腰を落としたりするドリルだ。

 ハンディコーチは時に声と正反対の動きをして選手たちを惑わそうとする。視覚に釣られずに、音だけで判断する力が問われた。間違えた人は脱落。人数が減っていく中で、ゲームの難易度はさらに増す。「UP!」「DOWN!」と英語に切り替わったかと思えば、ちょっとした会話の中に紛れた副詞や形容詞の「up」「down」にも反応できなければ失格となった。

 キャンプ期間中に何度も繰り返された「全てにおいて競争心を持って」という言葉通り、参加者たちはゲームを楽しみつつも真剣そのもの。最後まで残った1人には、ハンディコーチと八村からサイン入りのバッシュがプレゼントされるサプライズもあった。

 もう一つ、コーチの声を子供たちに届けるために必要なことがある。それはしっかりとした信頼関係を築くこと。「選手たちが汗をかいているなら、コーチも同じぐらい汗をかいて!」とハンディコーチは呼びかけた。ベンチにふんぞり返っていては、耳を開いてもらうことはできない。熱意が伝われば、言葉も届く。選手と向き合う普段の姿勢も問われていた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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