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「僕自身バカにされていた」 ボトムアップ提唱者、森保流に感じた“日本型指導”の変化

森保一監督は選手との対話を重ねてチームを作り上げた【写真:Getty Images】
森保一監督は選手との対話を重ねてチームを作り上げた【写真:Getty Images】

森保監督から聞いた指導で大切にしている「3つの柱」

――コーチングスタッフの分担制も評価されていますね。

「私たちは『一人一役制』『全員リーダー制』と言っていますが、監督といえども一つの係みたいな感じ。攻撃、守備、セットプレーなど、コーチの役割を決めて任せ、あとは信じて推し進めていき、監督は総枠を見る。自分たちのチームは一人ひとりが鎖の1つなんだという感覚を持つことができて、チームに対する責任感が持てる。私が高校で監督だった時、コーチはいなかったので、選手一人ひとりに係についてもらって、総勢120人の部員がまとまったこともあります」

――森保監督は現役選手を引退して、2004年にサンフレッチェ広島の強化部コーチに就任。2005年にU-19日本代表コーチ兼務となり、2006年のAFCユース選手権、2007年U-20W杯のコーチでした。畑さんが2006年に全国高校総体で優勝した広島観音高にいた時期と重なります。親交はその頃からですか。

「広島っていうのは、サッカー関係者の仲がとてもいい県なんです。Jリーグのユースと高校の対立なんてなくて、集まって食事したり、お酒を飲んだりして、情報交換もする。最初に出会ったのは、たぶんそういう場だったと思います。一緒に飲んでいる時の写真もたくさんあるし、練習や試合の後にサウナやお風呂で会うことも多かった。そこでボトムアップについて深く話したわけではないんですが、広島観音高が優勝した時に地元のテレビ局が制作した番組で『畑先生がヒントや道筋を示した上で、選手が判断しながら取り組んでいる』と的確なコメントをしてくれました」

――畑さんの指導を外から見て、森保さんは理解していたということですね。

「サンフレッチェの監督になってから、広島観音高校が全国大会を迎える前に電話をして、『ポイチだったらどうする?』みたいな話をした時、3つの柱を大切にしていると教えてくれたことがあります。修正力と継続力と反発力。その修正力について、ピッチに出る時に大きな括りを話すが、試合の中では中心選手を軸にして自分たちで修正してつくらなきゃいけないと言っていました。だから練習では早くグラウンドを去ることをイメージしている、そうしないといつまでも監督に頼ってしまう、それじゃ今のサッカーはダメなんだと。考え方が似ていて、森保流のボトムアップを創っているなと思いました」

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