中谷潤人衝撃KOの裏に名トレーナー「ルディ」の存在 出会いは15歳、技術より教育重視の育成論
厳しいルディ流、突如5分スパーの中谷「何の説明もない」
息子のように2人と接するエルナンデス氏だが、プロになってからのルディ流は厳しい。普通の選手のスパーリングは1回3分、ラウンド数は長くても世界戦と同じ12回。だが、中谷は試合までに自己最長16回を含む計140回以上を消化した期間もある。パートナー2人を相手に5分×10回の日もあった。しかも予告なく行われ、リング上で相手と戦いながら気づく。
「ルディさんから何の説明もない。ルディさんが時間を計っていて、『何かやってるな』とは思ったけど、全て受け入れてやっている。イレギュラーに耐えて自信にもなった」
今回の試合直前に行った日本での調整期間中も1日12回をこなした後、米国にいた師匠から「ネクスト1回」とリモートで追加を指示された。
5月末から約40日のロサンゼルス合宿でも指導を受けた中谷とオラスクアガ。7月の日本滞在中は同じ屋根の下で生活した。エルナンデス氏は第2試合のオラスクアガに「KOしてこい。キャリアで一番大事な試合だ」、第4試合の中谷には「ファーストコンタクトに強いパンチを打て」とそれぞれ直前に指示。2人は見事に遂行した。
忙しく、献身的に愛弟子を支える時間は大歓迎だった。
「プロとして目的があるからイージーさ。トニーが勝ってくれたので、そのままナカタニに行けた。プロとして素晴らしいし、ありがたいよ。2人同時の興行もいいものだね」
統一戦も期待される2人には頼もしい参謀がいる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)