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部員200人超、コンバート活発 高校野球とは違う大学野球指導の面白み、選手が「なぜ?」問い返す

グラウンドでは選手と積極的にコミュニケーションを図る【写真:川浪康太郎】
グラウンドでは選手と積極的にコミュニケーションを図る【写真:川浪康太郎】

選手から「なぜですか」「僕はこう思う」 大学野球ならではの面白みとは

 小野寺は現役時代、群馬県立前橋高、慶應義塾大、明治安田生命でプレーした。左の好打者として活躍し、慶大では3年春と4年秋にリーグ戦で首位打者に輝いた。社会人野球を勇退し、28歳の頃、筑波大大学院に入学。筑波大硬式野球部監督でもある川村卓准教授のもと、野球のコーチングや動作解析について学んだ。

 時を同じくして指導者人生もスタート。大学の後輩の紹介で東洋大牛久高硬式野球部のコーチに就任し、研究の傍ら高校生の指導に精を出した。その後修士を取得し、本格的に指導者の道へ。川村准教授の推薦を受け、小野寺と同じくかつて筑波大大学院に在籍した森本吉謙監督、坪井俊樹コーチのいる仙台大にコーチとして加わった。

 仙台大では、大学生を指導する「面白み」を感じている。

「高校生の場合は、指導者が『こうやりなさい』と言ったことが基本的にはすべてになる。一方で大学生にもなると、指導した時に『なぜですか』『僕はこう思う』などの意見が返ってくる。選手から学ぶことは多いです」

 面白いからこその難しさもある。小野寺は「『こうやって打ちなさい』と言って打たせられる指導者はすごい」と前置きした上で、「自分は『こうやって打ちなさい』と言うタイミングを見極めるタイプ」だと自己分析する。

 毎年、新入部員には最初に「あまり言わないから、自分なりのやり方で一生懸命やりなさい」とだけ伝えてきた。それで結果が出れば自己研鑽を続けさせ、伸び悩んでいるようであればアドバイスをする。小野寺のアドバイスを取り入れて才能を開花させた選手は少なくない。

 辻本はそのうちの一人。小野寺は「自分自身で努力する度合いの方が大きい選手なので、決して『私が育てた』という選手ではないです」と謙遜するものの、辻本は「小野寺さんに育ててもらった」としきりに感謝の言葉を口にしていた。

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