部員200人超、コンバート活発 高校野球とは違う大学野球指導の面白み、選手が「なぜ?」問い返す
仙台大教員で、2018年から硬式野球部で野手を中心に指導している小野寺和也コーチ(36歳)。今秋のドラフトで中日ドラゴンズから3位指名を受け、仙台大の野手で初の支配下指名を勝ち取った辻本倫太郎内野手(4年・北海)をはじめ、数多くの現役部員やOBが慕う敏腕コーチだ。大学野球の指導者として抱く信念と葛藤を深掘りした。(取材・文=川浪 康太郎)
インタビュー後編 就任6年でプロを4人輩出した仙台大・小野寺和也コーチの信念
仙台大教員で、2018年から硬式野球部で野手を中心に指導している小野寺和也コーチ(36歳)。今秋のドラフトで中日ドラゴンズから3位指名を受け、仙台大の野手で初の支配下指名を勝ち取った辻本倫太郎内野手(4年・北海)をはじめ、数多くの現役部員やOBが慕う敏腕コーチだ。大学野球の指導者として抱く信念と葛藤を深掘りした。(取材・文=川浪 康太郎)
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取材は11月下旬、チームの練習拠点である仙台大第2グラウンドで行った。グラウンドには、全体練習前に「特打」に励む野手陣の姿があった。
「バッティングを見ながらでもいいですか?」
練習の様子を見ることのできる部屋で行った約1時間の取材中、小野寺は一つひとつの質問に丁寧に答えながらも、教え子たちから目を離さなかった。
「できる限りグラウンドに来て、選手の動きやバッティングの打球音を見たり聞いたりすることが大切だと思っています。自分が妥協したら、選手を信頼して試合に送り出すことはできないので」
仙台大は200人以上の部員を抱える大所帯。満遍なく指導するのは容易ではないが、時間の許す限り選手一人ひとりの様子をチェックしている。