元巨人&西武の星孝典、なぜ母校監督に? 学生主体の部活に見た危うさと湧き上がった使命感
全員が「野球でトップになろうとは思っていない」
星が学生に成長を求めるのは、チームを強くしたり、選手の技術を向上させたりするためだけではない。監督として、東北福祉大、仙台大に勝って全国で戦えるチームを目指すのはもちろん、「学生たちには社会に出て通用する人間になってほしい」との願いが根底にあるからだ。
「大前提として、みんながみんな野球でトップになろうとは思っていない」
学生が大学で野球に打ち込む動機はさまざま。プロ野球や社会人野球でプレーすることを目標に己を磨く学生もいれば、ただ野球が好きで、大学卒業までと決めて4年間を過ごす学生もいる。だからこそ、1人ひとりと積極的にコミュニケーションを図り、各々に合った言葉を伝えるように心がけている。
NPBでのコーチ歴が6年あり、チームを、選手を育てるべく奔走してきた男は、母校では人を育てる指導者になる。(文中敬称略)
(川浪 康太郎 / Kotaro Kawanami)