子供が安心して発言できる環境に ラグビー元代表選手と敏腕教育者が願う“学び”の場
「学びを提供する側もされる側も楽しい方がいい」
――今日の授業も声掛けはあっても、お膳立てはありませんでした。
山口「男女ランダムなグループ分けになった中で、全員楽しんでいましたね。みんなが楽しいって素晴らしいですよ」
菊谷「4年生は52人と人数が多かったので、ラグビーってこんなスポーツだよという形で収めるか、僕らが普段やっているゲームの中で問題解決をするための時間にするか、悩みました。でも、チームトークを入れてよかったです」
小野澤「体験型かつ通過型のイベントが苦手なんです、僕。自分が楽しくないと(笑)。学びを提供する側もされる側も楽しい方がいいですから」
(後編へ続く)
◇「LCA国際小学校」とは?
2008年に文科省に認可された株式会社が経営する私立校。担任を外国人教師が務めるなど、学校生活の大半を英語で過ごす独自のアクティブイマージョン教育を取り入れている。1クラス約20人の少人数制。サマーキャンプ、音楽鑑賞など、自然、芸術の本物と触れ合う機会を積極的に持っている。姉妹校のオーストラリア・ヒルズ学園への短期留学制度もある。校長・西村昭比古。神奈川県相模原市緑区橋本台3-7-1。
<山口 紀生>
1978年、横浜国大教育学部卒、相模原市立小で教鞭を執る。85年に退職し、私塾「LCA」を設立。英会話スクール、幼児教室を開設し、自らも指導にあたる。01年に株式会社エル・シー・エー設立。2000年、「LCAインターナショナルプリスクール」開設。05年学校の教科を英語で指導する「LCAインターナショナルスクール小学部」開設。08年に文科省の認可を受け、「LCA国際小学校」に。日本初の株式会社小学校校長に就任。東京都中央区国際教育推進検討委員会副委員長などを歴任し、16年にLCA国際学園に名称変更。学園長に就任し、社名を株式会社エデューレエルシーエーに変更した。著書「どうしてこんなにできる子ばかり」「親子作文ワーク」(オクムラ書店)、「子育ての詩」「つれづれそう」(LCA出版部)、「親子でつくる見たこと作文」(エデューレコミュニケーションズ)。
<小野澤 宏時>
1978年3月29日、静岡県生まれ。静岡聖光学院高から中央大に進み、トップリーグではサントリーサンゴリアス、キヤノンイーグルスでプレーした。ポジションはウイング。代表デビューは2001年6月17日のウエールズ戦。ワールドカップには2003年のオーストラリア大会、2007年のフランス大会、2011年のニュージーランド大会に出場。日本代表キャップ数「81」は歴代2位。現在は「ブリングアップラグビーアカデミー」を主宰するほか、女子7人制ラグビークラブ「アザレアセブン」監督、J1「清水エスパルス」アスレティックアドバイザー、静岡県教育委員など幅広く活動している。
<菊谷 崇>
1980年2月24日、奈良県生まれ。御所工業高から大阪体育大に進み、トップリーグのトヨタ自動車ヴェルブリッツでプレー。イングランドのラグビーチーム、サラセンズでプレーした後、キヤノンイーグルスに移籍した。ポジションはNO8、フランカー。15人制と7人制ともに日本代表経験を持ち、15人制代表デビューは2005年11月5日のスペイン戦。2008年より主将を務め、2011年ワールドカップでは主将としてチームを率いた。日本代表キャップ数「68」。2018年に引退。現在は「ブリングアップラグビーアカデミー」を主宰するほか、ラグビー日本代表のU-20代表、高校代表などユース世代の代表コーチも務める。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)