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子供が安心して発言できる環境に ラグビー元代表選手と敏腕教育者が願う“学び”の場

神奈川県相模原市にあるLCA国際小学校は、既存の小学校とは違った取り組みで大きな注目を浴びている。日本でたった2校しかない、株式会社が経営する小学校で、授業は日本語と英語の両方で行うバイリンガルスクール。クラス担任は外国人教師が務め、ホームルームや給食の時間など学校生活の基本は、英語が用いられている。

ラグビー特別授業に参加したLCA国際小学校の児童たち【写真:松橋晶子】
ラグビー特別授業に参加したLCA国際小学校の児童たち【写真:松橋晶子】

ラグビー元日本代表・小野澤氏、菊谷氏が日本初の株式会社立小学校学園長・山口紀生氏と対談【前編】

 神奈川県相模原市にあるLCA国際小学校は、既存の小学校とは違った取り組みで大きな注目を浴びている。日本でたった2校しかない、株式会社が経営する小学校で、授業は日本語と英語の両方で行うバイリンガルスクール。クラス担任は外国人教師が務め、ホームルームや給食の時間など学校生活の基本は、英語が用いられている。

 学校の教育理念は「将来、社会の一員として、自分の個性を生かし、社会に貢献できる人間の育成」「日本語と英語を自由に使いこなし、良好なコミュニケーションをとりながら、世界を舞台に活躍できる人間の育成」「生きることの素晴らしさを知った人間の育成」だ。LCA国際学園の創始者でもある学園長の山口紀生氏は「最初から国際人を育てようという思いで始めたわけではない。目の前にいる子供に必要なことに取り組んできたら、今の形になりました」と話す。

 山口氏は大学卒業後に公立小学校で教師としてキャリアをスタートさせたが、公教育では十分にできない人間教育に取り組もうと、85年に私塾「LCA」を設立。英語教育に携わりながら、91年に株式会社エル・シー・エーを立ち上げ、08年に日本初の株式会社立小学校「LCA国際小学校」として文科省から認可を受けた。1クラス20人と少人数で、子供たちの心のケアや成長にもきめ細やかな指導を行っている。

 子供たちに「本物」を知ってほしいと、キャンプ、釣り、登山、スキーなど自然の中で体験授業が行われる他、学校にミュージシャンや海外の劇団を招待し、芸術に直接触れる機会も用意。その一環として、6月27日にラグビー元日本代表の小野澤宏時氏と菊谷崇氏を招き、4~6年生を対象とするラグビーを通じた特別授業が行われた。

 ラグビー元日本代表キャプテンの箕内拓郎氏とともに、小中学生を対象としたスポーツ教育事業「ブリングアップ(BU)ラグビーアカデミー」を主宰する小野澤氏と菊谷氏。ラグビーというチームスポーツを通じ、集団での「学び」から、対人間スキルや集団での問題解決能力を育てたいと考えるBUラグビーアカデミーでは、子供たちの自主性とコミュニケーションを尊重している。

 学校教育とスポーツと、活動の場は違えど「子供たちにとって何が大切か」という視点を持つ3人が、対談を実施。前編の今回は「伝えること、伝えられる環境」をテーマに熱く語り合った。

 ◇ ◇ ◇

――LCA国際小学校では、バイリンガル教育を通じて世界で活躍できる人間の育成を目指しています。

山口「元々、私は公立小学校の教員で、出発点は全部、日本の公教育というところ。目の前にいる子供たちのために何をすればいいか、をずっと考えてきました。最初は、自分のやりたいことを言えない子供たちが目の前にいて、だったらやりたいことが言えるように楽しいことを一緒にしようよ、から始めた。その延長で楽しいことをしようと海外に行ったら、あまりにも英語ができなくて英語教育を取り入れた。とにかく、今、子供たちに必要なことを提供していくことを考えています。そして、基本的には人間教育があるので、ただ英語が話せても人間が成長しないと意味はありません」

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