「文句を言ったら泣き出した」 外国人GKが30年前の日本で感じたミスを指摘しない習慣
ミスを指摘したDFには「自信を持って、文句を言い返して欲しかった」
マツダに来た当初、ディドから文句を言われたあるDFは「僕のことが嫌いなんだ」と泣き出してしまったという。
「僕は彼に自信を持って、文句を言い返して欲しかった。互いに悪いことを言い合って、チームが良くなっていけばいい。ゲームの流れを読む力を含めて、まだ日本のサッカーは赤ちゃんみたいでしたね」
だが、そんなディドも1年後に帰国してみると、安全な日本の生活に慣れてしまったせいか、逆に生まれ育ったオランダの環境が怖くなってしまったそうである。
実は1989年に、ディドには大きなチャンスが訪れた。前のシーズンに欧州制覇をした母国の名門PSVからのオファーだった。しかし、マツダとの移籍交渉がまとまらずに断念。やがてディドは日本国籍を取得し、息子のマイクも日本代表を選択するのだった。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)