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日本の「パワハラ」って知ってますか エディーHCに問う、日本スポーツ界の“病”

エディーHCが思うスポーツの価値とは【写真:松橋晶子】
エディーHCが思うスポーツの価値とは【写真:松橋晶子】

エディーHCに聞くスポーツの価値、「re-create」の重要性とは

 エディーHCはラグビー教室を開くと、子供たちに必ず言う言葉がある。「一番大事なことは今日、学んだという事実じゃない。今日、学んだことを明日、どう生かすかだ」。その言葉に照らせば、日本スポーツ界が2018年に経験した教訓をきっかけに、未来をどう変えていくかが求められる。

「その通りだ。それしか重要ではない。終わったことは終わったこと。もう過去を変えることはできない。明日、3日後、1週間後……何をするか、ということが重要だ。それが仏教のアプローチじゃないか。今に焦点を重ね、やっていく。日本のスポーツも同じことをやっていかないといけない」

 スポーツのネガティブな面が取り沙汰されることが多い昨今。日本では少子化とともに、スポーツ人口の減少も危惧されている。そんな状況を踏まえ、エディーHCが思うスポーツの価値について聞いた。

「何より健康的だ。レクリエーションの延長。英語の『recreation』は『もう一度、作り直す(re-create=レ・クリエイト)』という意味もあり、自分をよりどれだけいい人間に高められるかにもつながる。スポーツを通じて、規律もタイムマネジメントも学べる。チームの一員としてどう役割を果たすか、社会で役割を果たすための要素が詰まっている。私自身、スポーツを通じて我慢して取り組むことを学んだ。

 何か達成したいことがあれば、懸命にやらないといけない。時には負ける覚悟もしないといけない場合もある。だから、常に学び続けないといけない。選手とコーチがいい関係を築くためには、指導者に知識、意欲があり、リスペクトできるような人間でないといけない。日本でもコーチと選手がリスペクトし合い、トップダウンではなく、一緒にやっていこうというアプローチを文化として築いていってほしい」

 日本のスポーツ界に願いを込めたエディーHC。今なお選手を思い、指導法を日夜考えること、「それが、自分は大好きだから」と笑う名将の言葉に、未来へのヒントが詰まっている。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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エディー・ジョーンズ

THE ANSWERスペシャリスト ラグビー指導者

1960年1月30日生まれ。豪州出身。現役時代はフッカーを務め、ニューサウスウェールズ州代表。92年引退。教職を経て、96年に東海大コーチになり、指導者の道へ。スーパーラグビーのブランビーズなどを経て、01年豪州代表HC就任。03年W杯準優勝。イングランドのサラセンズ、日本のサントリーなどを経て、12年日本代表HC就任。15年W杯は「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ戦勝利を達成した。同年、イングランド代表HCに就任し、19年W杯は自身2度目の準優勝。近著に「プレッシャーの力」(ワニブックス)。

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