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未だ「気合、根性」の指導現場に一石 山本由伸も輩出した古豪OB、動作解析アプリに込めた夢の一歩 子供は「つまらないと上手くならない」

スポーツ界のデータ領域に、一石を投じている元高校球児がいる。ITを活用した支援を手掛ける「NineEdge(ナインエッジ)」代表取締役兼CEOを務める渡辺一矢氏だ。選手の投球、打撃フォームなどをスマートフォンで撮影し、人工知能(AI)を活用して動画解析するサービスを展開。多くの元プロ野球選手も携わり、アマチュア球界にもテクノロジーとデータ活用を根付かせようと試みている。

「NineEdge」代表取締役兼CEO・渡辺一矢氏【写真:本人提供】
「NineEdge」代表取締役兼CEO・渡辺一矢氏【写真:本人提供】

「NineEdge」代表取締役兼CEOの渡辺一矢氏に聞く

 スポーツ界のデータ領域に、一石を投じている元高校球児がいる。ITを活用した支援を手掛ける「NineEdge(ナインエッジ)」代表取締役兼CEOを務める渡辺一矢氏だ。選手の投球、打撃フォームなどをスマートフォンで撮影し、人工知能(AI)を活用して動画解析するサービスを展開。多くの元プロ野球選手も携わり、アマチュア球界にもテクノロジーとデータ活用を根付かせようと試みている。

 同社が4月にリリースしたアプリ「ForceSense(フォースセンス)」は、打者のスイング、投手の投球のフォームを解析。球速、スイングスピードなどを可視化し、軸線や残像を表示することで課題解決に繋げられる。さらに元プロ野球選手のフォームとも比較可能で、理想追求の一助となっている。

 今後さらにサービスは改良される予定。ユーザーからの要望が強かった、自動的に何球でも解析してくれる「自動撮影オートモード」も導入。1球ごとに撮影する手間が省かれ、連続して分析することができるようになった。さらに今後はAIによるアドバイス、トレーニング提案の機能も実装を目指す。

「年代の骨格、筋肉量などによって全く変わってくるので、ユーザーさんの条件に一番合うであろうものをAIがアドバイスしてくれる。アプリを使えば使うほど、チューニングできるのがAIのいいところ。最終的には頼りたいときにすぐ相談ができて、改善したいポイントに合わせた提案ができるサービスを実現したい」

 数多くの元プロ野球選手が関わっているのも大きな特徴の一つ。アプリでの結果をもとに、元西武・巨人の片岡保幸氏や元DeNAの寺田光輝氏らが動画で自ら技術的なアドバイス、トレーニングの助言を送ってくれるサービスもある。

 小中学生に留まらず、高校、大学でプレーする選手まで幅広い利用者がいる。「小中学生でもデータ活用は大事だと啓蒙活動していきたい」と渡辺氏。映像を見て、自分で何かを気付く部分に関しては若い年代の方が優れていると実感している。

4月にリリースした「ForceSense」は球速、スイングスピードなどを可視化。軸線や残像を表示することで課題解決に繋げられる【写真:本人提供】
4月にリリースした「ForceSense」は球速、スイングスピードなどを可視化。軸線や残像を表示することで課題解決に繋げられる【写真:本人提供】

「小学生は自分で何か気づきを持つ部分が天才的。保護者、指導者の方にもデータ活用の重要性に気づいていただきたいですし、チームに可視化の手段がない高校生、大学生にも是非使っていただきたい」

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