ジーコが語る「プロとアマの違い」 才能の宝庫ブラジルで貫いた自己管理の大切さ
「ジーコには『これくらいでいい』という意識がない」
「プロとアマの違い。それは自己管理能力だ。ブラジルには、私より上手い選手がたくさんいた。もし私が周りの選手たちと同じように遊びたい誘惑に負けていたら大成できなかった。だが私はサッカーのマイナスになることは一切しなかった。毎晩10時には帰宅し、パーティーに付き合うことがあっても、翌日トレーニングがあることを忘れない。それができなければプロとしてやっていけない」
ブラジルは才能の宝庫だが、ジーコより上手い選手がたくさんいたとは思えない。ただし、才能に恵まれスターになっても身を持ち崩してしまう選手も少なくない。早逝してしまったガリンシャや、相次いで問題を起こしてきたエジムンドなど、自制できない天才を挙げれば枚挙に暇がない。そういう意味で、ジーコの弁舌は的を射ていた。
「ジーコには『これくらいでいい』という意識がない。日本リーグでも、ナビスコカップでも、最初から優勝しかないと思っていた。逆にジーコが、なぜ優勝できないんだ、と悔しがるから、誰も満足はできなかった」
そう述懐する鈴木は、再びジーコと並んで鹿島の戦いを見守る。AFCチャンピオンズリーグ準決勝の初戦を逆転で勝利し、アジアの頂点へと確実に近づいている。
(文中敬称略)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)