日本の指導現場でなくならない、独裁者のような振る舞い

　スポーツの世界で「プレーヤーズ・ファースト」が謳われるようになって久しいが、依然として多くの現場では指導者が独裁者のように振る舞う。子供たちの現場でも、まだまだ怒声はなくならないし、日大のケースを見ても分かるように、最もアカデミックな現場にいるはずの大学関係者たちが、実はパワハラ問題に呆れるほど無頓着なケースもある。

「総体的に日本は良い方向にあると思う。ただし、まだ子供たちのための施設や指導者が不足しているし、土地の広さや値段との兼ね合いもあるのだろうが、欧州と比べれば天然芝のピッチも少ない。それはアジアの厳しい現実と言えるのかもしれないね」

　好きでボールを蹴り始めた子供たちの興味を折ることなく、指導者が適切に上達へと導く。日本でそんな環境が整うまでは、まだ想像以上に多くの時間がかかりそうである。

（文中敬称略）