「コピーはオリジナルに敵わない」 エディーHCが語る日本スポーツとジャパンウェイ
「日本の強みを生かせ」と主張する理由「コピーはオリジナルに敵わない」
「日本の強みを生かしてプレーすべきと、強く思っている」
はっきりとした口調で、言い切った。それは単なる綺麗事ではない。「日本らしさを考え、他の国のコピーをしないこと。これが重要になる。考えてみてほしい。日本の経済が一番良かった時、日本は一番良い家電製品を作り、世界に誇っていた。スポーツも同じことだ。どれだけ自分らしさを出し、ユニークに戦えるかだ」。そして、こう付け加えた。
「コピーをしてしまうと、オリジナルには絶対に敵わない」
日本の文化的背景に触れながら、独自の視点で語ったジョーンズ氏。誰かが作り出した「世界のトレンド」に乗れば、ある程度の成果を挙げることはできる。しかし、それを生み出した“本物”を相手にした時に乗り越えられない。かつて“本物”の製品を生み出し、高い経済成長を誇っていたように、日本のスポーツ界もオンリーワンの存在になることを求めた。
では、日本が世界と戦う上で、次代を担う若い世代はどんな精神を持つべきか。「毎日、上達できるように過ごすこと。伝統的なことだけに左右されず、嫌われることにも勇気を持っていくことだ」。ジョーンズ氏が言葉にした“嫌われる勇気”。それが「世界との距離」を縮める上でも重要になると、考えている。
「100%、その通りだ。そうすれば、自分のことを信じて歩むことができる。例えば、貧乏な家庭に生まれたから貧乏に育つわけじゃない。それが決して運命ではないことを分かってほしい。スポーツにおいても、体の小さい選手がいい選手になれないということはない。私が言いたいのは、自分で人生はコントロールできるということ。それが何よりも重要だ」
「ジャパンウェイ」を貫き、世界を打ち破った時、得られる感動は計り知れない。「15年W杯の南アフリカ戦でスタンドを降りていく時、日本人のファンの方々が涙ぐんでいた。南アフリカのファンの皆さんも悲しんでいたけど、これはラグビー界の記念になると伝わってきた」。3年経った今も、記憶に刻まれている。