猛暑で問われる部活のあり方 ボトムアップ理論が実証した「量より質」の重要性
楽しむためには強制ではなく自主判断が不可欠
「大会期間中、生徒たちは宿舎でミーティングを重ね、プランを立てて戦い抜きました。メディアには、僕はベンチでコーヒーを飲んでいたら勝っちゃいましたよ、と話したほどです。僕はそれだけ彼らを信じていました」
部活のあり方、さらにはスポーツをする意味が問われている。スポーツには、プレーヤーズ・ファーストの大前提があり、楽しむためには強制ではなく自主判断が不可欠だ。
畑は語る。
「選手たちが自分で気づいて動き出すのを待つ。それは指導者の重要な資質です。サッカーは閃きが大切なスポーツ。だから彼らの発想に制限をかけてはいけない」
今では誰もが知るはずの当然の理論である。畑のボトムアップ理論は、スポーツ界に限らず、多方面で社会的にも注目され浸透している。しかし残念ながら、それとは真逆の旧態依然とした組織が数多く残っているのも、日本の実情である。(文中敬称略)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)