独名将が40年前に見抜いた日本人サッカー選手の特徴 現代に通じる共通の課題とは
成功へのネックは自他ともに認める「引っ込み思案の性格」
当時の奥寺は、パルメイラス留学を経て急成長中だった。ただし成功へのネックとなったのが、自他ともに認める「引っ込み思案の性格」だった。
当時アマチュアの日本は、アジアでも勝てない時代が続いていた。それに対し西ドイツは、1974年に自国開催のワールドカップを制している。欧州におけるブンデスリーガの水準は今よりも高く、外国籍選手枠も限られていた。そんな時代にアジアの弱小国から、世界最強国のトップクラブに誘われたのだ。奥寺本人はもちろん、橋渡しをした二宮も大きな責任を感じていたので、何度もバイスバイラーに確認している。
「本当に通用するのか?」
バイスバイラーは答えた。
「私の眼に間違いはない。プレーの能力には、まったく問題がない。課題があるとすれば、自分を積極的にアピールしていく姿勢だ。そこを克服できれば、必ず成功する」
だからバイスバイラーは、繰り返し冒頭の言葉で奥寺を鼓舞して来た。