[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

独名将が40年前に見抜いた日本人サッカー選手の特徴 現代に通じる共通の課題とは

成功へのネックは自他ともに認める「引っ込み思案の性格」

 当時の奥寺は、パルメイラス留学を経て急成長中だった。ただし成功へのネックとなったのが、自他ともに認める「引っ込み思案の性格」だった。

 当時アマチュアの日本は、アジアでも勝てない時代が続いていた。それに対し西ドイツは、1974年に自国開催のワールドカップを制している。欧州におけるブンデスリーガの水準は今よりも高く、外国籍選手枠も限られていた。そんな時代にアジアの弱小国から、世界最強国のトップクラブに誘われたのだ。奥寺本人はもちろん、橋渡しをした二宮も大きな責任を感じていたので、何度もバイスバイラーに確認している。

「本当に通用するのか?」

 バイスバイラーは答えた。

「私の眼に間違いはない。プレーの能力には、まったく問題がない。課題があるとすれば、自分を積極的にアピールしていく姿勢だ。そこを克服できれば、必ず成功する」

 だからバイスバイラーは、繰り返し冒頭の言葉で奥寺を鼓舞して来た。

1 2 3

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集