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奥寺康彦と長谷部誠をつなぐ称賛 独名将を魅了した「1人で3人分」の万能性

2人を知るドイツ人の証言、「オクと長谷部は確かに共通点が多い」

「オクと長谷部は、確かに共通点が多い。どちらもプロフェッショナルとして模範的だし、様々なポジションができる。個人的には、長谷部は中央に置きたい選手だけど……。まあ、2人を比べれば、オクの方が、もう少しダイナミックだったかな」

 長谷部は、奇しくもかつて奥寺が在籍したヘルタとの一戦で、奥寺に並ぶブンデスリーガ通算234試合出場を達成。そして続くフライブルク戦で235試合目のピッチに立ち、日本人最多記録を更新した。

 歴代2位となった奥寺だが、その他に25試合の2部リーグ出場や、チャンピオンズカップ(現在のCLとは異なり当時は各国リーグ王者のみが出場できた)をはじめとする欧州カップ戦での通算17試合出場の記録が刻まれている。日本サッカー“冬の時代”にドイツへの道を切り拓いた先人の功績は、今も色褪せることがない。

(文中敬称略)

【了】

加部究●文 text by Kiwamu Kabe

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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