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鹿島を常勝軍団へと導いた“ノウハウ” ジーコを獲得した揺るがないスタイルの裏側

Jクラブの中で際立つ安定感、「プロクラブとしての成熟が早まった要因」は…

 93年のサントリーシリーズを制し、記念すべき最初のステージ王者となった鹿島は、それ以降Jリーグ8回、リーグカップ6回、天皇杯を5回制すなど、最多タイトル数を誇る名門としての地位を固め、昨年はFIFAクラブワールドカップで準優勝の快挙を成し遂げた。チームを指揮したのは、ジーコと同じタイミングで住友金属に移籍してきた石井正忠だった。

 改めて鈴木は振り返る。

「ジーコには、ピッチ上のことだけではなく、現場を管理する人間としての立ち居振る舞いなど、プロとしてのすべての面で教えられました。それが他のクラブより、プロクラブとしての成熟が早まった要因だと思います」

 Jリーグ開幕時から参戦した「オリジナル10」で、J2降格を経験していないのは鹿島と横浜F・マリノスだが、停滞期を作らず安定してタイトルを増やし続けているのは鹿島だけである。

【了】

加部究●文 text by Kiwamu Kabe

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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