鹿島を常勝軍団へと導いた“ノウハウ” ジーコを獲得した揺るがないスタイルの裏側
Jクラブの中で際立つ安定感、「プロクラブとしての成熟が早まった要因」は…
93年のサントリーシリーズを制し、記念すべき最初のステージ王者となった鹿島は、それ以降Jリーグ8回、リーグカップ6回、天皇杯を5回制すなど、最多タイトル数を誇る名門としての地位を固め、昨年はFIFAクラブワールドカップで準優勝の快挙を成し遂げた。チームを指揮したのは、ジーコと同じタイミングで住友金属に移籍してきた石井正忠だった。
改めて鈴木は振り返る。
「ジーコには、ピッチ上のことだけではなく、現場を管理する人間としての立ち居振る舞いなど、プロとしてのすべての面で教えられました。それが他のクラブより、プロクラブとしての成熟が早まった要因だと思います」
Jリーグ開幕時から参戦した「オリジナル10」で、J2降格を経験していないのは鹿島と横浜F・マリノスだが、停滞期を作らず安定してタイトルを増やし続けているのは鹿島だけである。
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加部究●文 text by Kiwamu Kabe