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異色の25歳“校長”が挑む育成革命 高校サッカー強豪校の課題補う理想の環境とは

淡路島で小さな育成革命が始まろうとしている。

神村学園本校から運営を託された上船利徳【写真:本人提供】
神村学園本校から運営を託された上船利徳【写真:本人提供】

【通信制高校が描く新たな育成の形|第1回】神村学園が淡路島に来春新設、校長にOBの上船氏が就任

 淡路島で小さな育成革命が始まろうとしている。

 一流のプロサッカー選手、及び社会人を育成していこうと、新しい形の通信制高校が誕生。25歳と異例に若い“校長”が、このチャレンジを主導していく。

 来春新設予定の学校の名称は「エリート人材育成 淡路島学習センター」。学校法人「神村学園」が展開する広域通信課程で、サッカーに打ち込むには理想の環境が用意された。

 トレーニングに使用するのは、2002年日韓ワールドカップの際にイングランド代表が拠点とした淡路佐野運動公園。行政の快諾を得て、天然芝2面、人工芝1面のピッチを使用することができる。また育成アドバイザーには、現ヴィッセル神戸ヘッドコーチで、かつては横浜フリューゲルスで天皇杯を制し、浦和レッズでの監督経験も持つゲルト・エンゲルスが就任。同氏のパイプを活かし、育成改革を経て前回2014年ブラジル・ワールドカップで優勝を飾ったドイツの指導者を招聘することが決まっている。

 神村学園本校から運営を託されたのは、同校OBでドイツでのプロ経験を持つ上船利徳。若くして怪我で現役を退いたが、即座にセカンドキャリアの目標を指導者としての大成に転換、帰国後は5つのスクールを運営しながら、明治大学やプロ選手の個人指導のキャリアなどを重ね、JFA(日本サッカー協会)のB級ライセンスも取得した。

「通信制でも、全日制と変わらない高校卒業の資格が取得できます。むしろ通信制だからこそ、在籍中に外国や本校と離れた地域のクラブとプロ契約を結んでも、そのまま学習を継続することが可能なのです」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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