谷晃生、食野亮太郎らの才能開花 G大阪ユース熱血監督が語る、若手“操縦術”の極意
唐山翔自は「今から伸びるはず」
――手を離れた後も、森下監督の練習に参加を希望する選手が多いとか。
「今年のプレシーズンも、水戸にレンタルで行っている唐山翔自がクラブの許可を得て、『1週間いいですか? シーズン前に仕上げていきたいんで』って来て。あいつは今から伸びるはずです」
――原点になっているんですね。
「プロって呪縛にもなります。(中村)敬斗がウイングバックで使われていた時、自分のところに来て、『守備がなかなかできない』って。敬斗は敬斗なのに、ただのウイングバックになってしまっていた。だから、『お前は中村敬斗でしょ? そこに立ったら違う人になるの? お前のストロング(ポイント)は何?』って聞いて。『ドリブルです』って答えるから、『だったら、したらええやん』って。そしたら、彼は凄かった」
――教え子のことを話す森下さんの目は慈愛に満ちています。
「トップの試合を見て、先日は黒川(圭介)が点を取って嬉しくて、『あんなの教えてないぞ』とか(笑)。選手たちの活躍が楽しみで。今は敬斗も亮太郎も苦労しているけど、欧州に留まって戦って、ケツをまくって帰ってこない。連絡はちょくちょく取っています。今はLINEという便利なツールがあるので、1時間くらい話します。昔だったら、えらいことになっていますけどね(笑)」
(第2回へ続く)
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)