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谷晃生、食野亮太郎らの才能開花 G大阪ユース熱血監督が語る、若手“操縦術”の極意

唐山翔自は「今から伸びるはず」

――手を離れた後も、森下監督の練習に参加を希望する選手が多いとか。

「今年のプレシーズンも、水戸にレンタルで行っている唐山翔自がクラブの許可を得て、『1週間いいですか? シーズン前に仕上げていきたいんで』って来て。あいつは今から伸びるはずです」

――原点になっているんですね。

「プロって呪縛にもなります。(中村)敬斗がウイングバックで使われていた時、自分のところに来て、『守備がなかなかできない』って。敬斗は敬斗なのに、ただのウイングバックになってしまっていた。だから、『お前は中村敬斗でしょ? そこに立ったら違う人になるの? お前のストロング(ポイント)は何?』って聞いて。『ドリブルです』って答えるから、『だったら、したらええやん』って。そしたら、彼は凄かった」

――教え子のことを話す森下さんの目は慈愛に満ちています。

「トップの試合を見て、先日は黒川(圭介)が点を取って嬉しくて、『あんなの教えてないぞ』とか(笑)。選手たちの活躍が楽しみで。今は敬斗も亮太郎も苦労しているけど、欧州に留まって戦って、ケツをまくって帰ってこない。連絡はちょくちょく取っています。今はLINEという便利なツールがあるので、1時間くらい話します。昔だったら、えらいことになっていますけどね(笑)」

(第2回へ続く)

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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森下仁志

ガンバ大阪ユース監督 
1972年生まれ、和歌山県出身。現役時代は帝京高、順天堂大を経て95年にガンバ大阪に加入。コンサドーレ札幌、ジュビロ磐田と渡り歩き、J1通算202試合9得点、J2通算37試合1得点の成績を残した。2005年の現役引退後は指導者の道へ進み、12年に磐田監督に就任。京都サンガF.C.、サガン鳥栖、ザスパクサツ群馬の監督を経て、19年に古巣G大阪U-23監督となり、昨年からユースを率いている。中村敬斗(現LASKリンツ)や食野亮太郎(現エストリル・プライア)らの才能を引き出すなど、若手の指導に定評がある。

小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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