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【PR】現役プロ選手も驚き 遠隔指導ツール「スマートコーチ」は何がスゴイのか

サッカー日本代表選手、プロ野球・阪神で活用する秋本氏「『画期的だ』と言われた」

――『東北「夢」応援プログラム』では1年間の指導を行います。まずは顔合わせとして対面で指導し、半年後の中間発表、1年後の成果発表という流れで行い、その期間は「スマートコーチ」で指導を行いました。実際に活用しての難しさはありましたか。

 伊藤「対面で一度会ってから遠隔指導に入ります。この指導が十分でないといけません。会ったことがないコーチに対して注文するのは子供たちも気が引けるし、指導のクオリティもわからない。でも、会う回数が増え、やりとりも増えると、子供たちもこちらを信頼して返信が早くなったり、よりしっかりしたものが返ってきたりして。そういう信頼関係ができると、遠隔指導であってもタイムを大きく伸ばす子も増えますし、いい循環になるのではないかと思います」

――秋本さんはサッカーの日本代表選手のほか、プロ野球の阪神でトップアスリートを手がけ、動画も積極的に活用しています。

 秋本「自分が指導を行うトップアスリートでいえば、動画を用いた指導に対しては選手もコーチも抵抗がないと思います。自分の走りを映像で認識する作業は普段、バッティング、ピッチングを見るのと同じようなものなのですが、サッカー選手も野球選手も走りだけを切り取って見たことがないので『すごく良かった』と言ってくれました。子供でも大人でも指導で大切なことは信頼関係であると思います。

 僕の場合は阪神の全選手と年間を通して触れ合い、お互いに言いたいことが分かるようになっていました。それは長く一緒にいないとできないことだと思っています。以前の指導でもありましたが、僕のアドバイスに対して何か月か経った後で捉え方が違っていたことに気づくことがあるります。だから、初見でいきなりフォームの動画を送られてくるより、遠隔操作を使うまでに互いの人間性を知るというのはとても大事だと思います。特にパーソナリティーの部分です」

――阪神では定期的に指導に赴いていますが、基本は東京と大阪で離れ、シーズン中は個別に動画を送り合って指導していたといいます。さらに、今秋のキャンプから「スマートコーチ」を導入。遠隔操作だからこそ生まれたやりとりはあったのでしょうか。

 秋本「シーズン中は選手がLINEで送ってきた動画を、僕が持っているアプリに入れ込み、線を引いてキャプチャして送ったりして、手間がすごくかかっていました。でも、昨秋のキャンプから、スマートコーチで簡単にできるようになって『めちゃくちゃわかりやすい』『画期的だ』とコーチも言ってくれたんです。動画に言葉を入れられるというのがスマートコーチにしかできないすごく重要なところだと思います。その良さによって、遠隔指導の良さが出せたかなと思っています」

90%以上が「満足」と回答…池田氏「皆さん目からうろこで『なるほど』と」

――お二人の指導では、いい反響が続々と返ってきているようです。池田さんのもとには、実際のユーザーの声で印象深いものはあったのでしょうか。

 池田「このサービスの一番難しいのは先ほど、お二人がおっしゃった人間関係の部分です。動画の指導で相手が誰かわからないとなると、なかなか一歩を踏み出せない。でも、実際にやっていただくと、数百のアンケートで90%以上が『満足』と答えている。それは、素人では絶対、指摘されないことをしてくれて、皆さん目からうろこで『なるほど』という部分がたくさんあるから。

 そういう指導が受けられて『すごくうれしい』という声を頂けています。例えば、お二人のもとで指導を受けている方が、引っ越しで北海道や、それこそ海外に離れていってしまっても、遠隔で同じように指導を受けられる。それは競技を続ける上で子供の強いモチベーションになる。距離が離れて、さらに良いよねと言ってもらえるのは作って良かったなと思います」

――では、今後の展開についてもお聞きします。秋本さんは「スマートコーチ」がどうすれば、さらに可能性が広がると考えていますか。

 秋本「スマートコーチは走りの動作の分析が活用のメインにあります。今後、僕らが展開している『0.01』のプロジェクトとして、正しいトレーニング法、指導法をライセンス化して広く届けたい思いがあるんです。そうなった時に僕らが話しているメソッドを配信する。音声が入ることがスマートコーチの良さだと思ったので。野球があまりスクール化できないのはメソッドが作りづらいからと野球関係者の方から聞いたことがありますが、走りの一つの強みはメソッドができることです。

 野球は人によって投げ方、打ち方も違う。フォークを投げても、それぞれ感覚も違うから、教科書にはしづらいと。しかし、陸上はある程度ニュアンスは違っても、指導の根本は同じです。野球でいえば、盗塁、走塁を速くする方法とか、サッカーでいえば、ポジションごとの動き、止まり方、方向転換、初速とか、いろんな選手のプレーを見て勉強中なので『0.01』流の速く走るメソッドを作っていこうと考えています。そういうライセンス化した情報をスマートコーチを通じて配信できたら、新しい活用方法なのかなと思います」

 池田「すごい、おもしろいですね。メソッド化していくのは重要だなと思っていました。水泳などはメソッド化され、段階に分かれている。わかりやすくPDCAを回せるツールだと思います。そのかけっこ版、野球版、サッカー版があると、やる側にもモチベーションにもなると思います。さすがの考えですね」

「スマートコーチ」のゴール…池田氏「どこにいても機会提供を受けられ、みんなが健やかに」

――生みの親である池田さんにとって「スマートコーチ」のゴール地点はどこにあるのでしょうか。

 池田「超トップ(選手)を作ることもうれしいし、アンダー世代がスポーツを始めるきっかけになることもうれしい。勝負事も楽しいけど、スポーツを通じて、健やかな人生を送る非常に大事なツールと思っています。健やかになるためには正しく運動することが重要。自分で勝手にやってもダメだし、やりすぎもダメ。ICTのデバイスを通じて『田舎に住んでいるから習えなかった』『だから、太っちゃったんだ』ではなく、どこにいても機会提供を受けられ、みんなが健やかになっていくことがゴールかなと思います」

――伊藤さん、秋本さんは今後の指導のゴール、そしてスマートコーチの未来をどう考えていますでしょうか。

 秋本「プロのアスリートに対しては、サッカーならGK以外の10人が全員10秒台で走れたら世界一になれるんじゃないか、野球なら絶対に盗塁で刺されない選手が作れるんじゃないか、という期待感は常に持っています。子供たちに対しては、足が速くなることで獲得する自信で幸せ、楽しさは子供も大人も一緒なので、その部分で貢献したい。

 今、かけっこ教室をすると、自分の短所を改善しようとする質問が多い。自分の強みを言って伸ばそうと発想する子供が少ない。短所を克服することに飢えていることは大切だとは思うのですが、一方で、自分の強みを分かっていない子も多い。それって結構、問題があるなと思って毎回、聞いています。子供たちに話すのが努力すると夢かなうというとそれは当たっているとも思うし、間違っているとも思うんです。

 正しい努力をしなければ目標を達成できないということ。努力をするのは当たり前。努力の方向が合っているかどうかのきっかけを僕は作れるのではないかと思います。例えば、もも上げを毎日1時間することは、行為としての努力かもしれないけど、正しくない可能性は高い。では、もも上げはどういう意識、方法でやるのかをスマートコーチの指導で作ることができるんじゃないかと。そういう手段になれたらと思います」

 伊藤「最終的なゴールをどこに置いているかで我々の行く先は変わると思います。『0.01』としてはより多くの人、幅広い世代に体を動かすことによって、幸せを感じてもらうことをゴールに置いています。そのためにできることを考えながら行っていく。その中で、スマートコーチも重要になると思っています。

 『スポーツとIT』という響きは、ともすると薄っぺらく聞こえる部分もあると思います。最近では2020年に東京五輪もありますし、スポーツに対する需要も高まっています。方法がどうだということではなく、池田さんが仰るような、こういうもので人がどう成長していくのか、人材育成の思いを大切にしながらスポーツの環境を変え、社会に役立てられるものにしていくことを考えたいと思っています」

池田昌人氏プロフィール
法政大学経営学部卒。1997年東京デジタルホン(現ソフトバンク)入社。営業部門、マーケティング部門を経て、東日本大震災を機に、企業ができる継続的な社会貢献事業を推進しようと、CSR部門に異動。現在は、ソフトバンクグループのCSR責任者として、2015年に立ち上げた「スマートコーチ」の推進だけでなく、事業を通じた社会課題の解決を目指し、ICTやスマートロボット、プラットフォームを活用した社会貢献施策を展開。

伊藤友広氏プロフィール
国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ・ユース対象)。高校時代に国体少年男子A400mにて優勝。アジアジュニア選手権の日本代表に選出され400m5位、4×400mリレーではアンカーを務め優勝。国体成年男子400mにて優勝。アテネ五輪では4×400mに出場。第3走者として日本過去最高順位の4位入賞に貢献。

秋本真吾氏プロフィール
2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。オリンピック強化指定選手にも選出。2013年からスプリントコーチとしてプロ野球球団、Jリーグクラブ所属選手、アメリカンフットボール、ラグビーなど多くのスポーツ選手に走り方の指導を展開。地元、福島県「大熊町」のために被災地支援団体「ARIGATO OKUMA」を立ち上げ、大熊町の子供たちへのスポーツ支援、キャリア支援を行う。2015年にNIKE RUNNING EXPERT / NIKE RUNNING COACHに就任。

(THE ANSWER編集部)

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