[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

【PR】現役プロ選手も驚き 遠隔指導ツール「スマートコーチ」は何がスゴイのか

2020年に東京五輪が迫り、日本全体に置いて運動志向が高まるなか、今、スポーツの現場において、ある画期的な指導方法が脚光を浴びている。オンライン指導ツール「スマートコーチ」だ。

「スマートコーチ」を発案したソフトバンク株式会社CSR統括部長・池田昌人氏(中)と、スプリント指導のプロ組織「0.01」の伊藤友広氏(左)、秋本真吾氏(右)
「スマートコーチ」を発案したソフトバンク株式会社CSR統括部長・池田昌人氏(中)と、スプリント指導のプロ組織「0.01」の伊藤友広氏(左)、秋本真吾氏(右)

生みの親のソフトバンク池田氏が対談で明かした「スマートコーチ」の魅力と可能性

 2020年に東京五輪が迫り、日本全体に置いて運動志向が高まるなか、今、スポーツの現場において、ある画期的な指導方法が脚光を浴びている。オンライン指導ツール「スマートコーチ」だ。スマホやタブレット端末で専門の指導者に練習の動画を送り、それに対し、指導者が映像に音声、ペンを使って添削し、また実際にお手本の動画を撮影して返信する。従来の対面でしかありえなかった指導の形が変わり、遠隔でも質の高い指導が可能になった。陸上、野球、サッカー、テニスからダンス、ヨガなど多岐にわたるジャンルに、五輪経験者ら第一線の指導者が200人以上揃う。

 利用者はサービス開始から2年余りで一般ユーザーから、中学校の部活動に至るまで幅広く活用されている「スマートコーチ」。いったい、なぜ、利用者を魅了できたのか。発案したソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)のCSR統括部長・池田昌人氏と、実際に「スマートコーチ」を使って指導を手掛けてきた元アテネ五輪1600メートルリレー日本代表の伊藤友広氏、元200メートル障害アジア記録保持者の秋本氏が対談。伊藤氏、秋本氏はスプリント指導のプロ組織「0.01」を立ち上げ、活動している。

 池田氏は15年に「スマートコーチ」のサービスを立ち上げ、以来利用者拡大に尽力。一方、伊藤氏は主に子供世代のかけっこ教室を手掛け、ソフトバンクが協力する『東北「夢」応援プログラム』で被災地である岩手・宮古の小学生に「スマートコーチ」で遠隔指導を実施。秋本氏はサッカー日本代表選手のほか、プロ野球・阪神タイガースで臨時コーチとしてスプリント指導を担い、昨秋キャンプから「スマートコーチ」を導入し、トップアスリートを相手に遠隔指導を施している。

 そんな3人が語った「スマートコーチ」の魅力、そして、可能性とは――。

 ◇ ◇ ◇

――まずは池田さんにお伺いします。ソフトバンクといえば、通信会社。そもそも、ゆかりがないように見える分野で「スポーツ」の支援に取り組もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

池田「38歳の頃に自分の体の問題で運動しなければならなくなり、マラソンを始めたことがきっかけです。学生時代は一切スポーツをやったことがなく、体育の授業くらい。でも、自分の体と向き合う中で膝が痛くなる『ランナーズ・ニー』を経験し、正しく動いているのに足が痛くなるのはなぜだろうと、スポーツに対して疑問が芽生えたのが小さな種でした。その後、25メートルも泳げないのにトライアスロンを始め、水中動作の動画を撮って指導してもらえる所を見つけました。

 すると、自分ではカッコ良く泳いでいるつもりが、映像を見ると全く違う自分がいたんです。動作は自分が認識しているものと違うというギャップを知ったことで、これを何かの形で生かせないかと思ったのが、サービスを生み出す転機になりました。その教室が自宅から遠い場所だったので、好きなタイミングで習うことができず、通えたのは半年に1回くらい。これを遠隔でできる環境を整えたいと思ったのが、スマートコーチというサービスを始めるアイデアになりました」

池田氏「どうプロセスを踏めば目標に届くようになるのか、スポーツを通じて伝えたい」

――そんな中で子供世代の育成に生かしたいと思ったのは。

「トライアスロンは短い距離から230キロくらいの長い距離まである。体力の差を埋めるプロセスを考え、練習の量、方法とプランニングしたものをやってみて、1か月くらいで、どう変わっているか分析してみる。変わっていなければ、練習量を増やしたり、ケアをしたりとグルグル回っていた。もともとマーケティングをやっていたので、それが営業の『PDCA』のサイクルと全く一緒だと思ったんです。

 体を動かして『気持ちいい』『素晴らしい』のプラスアルファで、目標を実現するためにどうプロセスを踏んでいけば、目標に届くようになるのか、スポーツを通じて伝えたい。それを人材育成としてやることが、スマートコーチを始めた僕の役割なんじゃないかと感じるようになったんです。当時、CSR部門の責任者をやっていたので、子供を含めた人材育成につなげたいという思いが理由になりました」

――構想から導入までにどんな苦労があったのでしょうか。

池田「思い返せば、最初は秋本さんの所に飛び込んだんです。社内で合意が取れてテストが始まったのが2015年。秋にサービスを展開するまで、1年間くらいかけて基本設計を構築したり、コーチはどんな“生き物”なのか調べたり。そんなタイミングで2015年の夏に秋本さんを喫茶店にお呼び立てして『ソフトバンクと申します、こんなサービスがあるのでお願いします』と」

秋本「ああ、そうだ。そうですね、懐かしいですね」

池田「だから、秋本さんには実は非常にお世話になっているんです。最初はスポーツが異文化であったこと、スポーツに自分が携ってなかったことから、ビジネスモデルになるそれぞれの人間関係がどうなっているのか、知る部分がすごく時間がかかりました。わからないことだったので」

――伊藤さんは「人材育成」という部分で、まさに小学生世代にかけっこを教えています。指導現場において、遠隔指導を活用するメリットはどこにあると考えていたのでしょうか。

伊藤「極論を言うと、誰でも走ることはできますし、教えようと思ったら“なんとなく”誰でも教えられてしまうものです。しかし、当然ながら専門家とそうでない方との差は大きなものだと感じます。
専門家による良い指導を広めたいと考えた場合、日本中を回るのは物理的に難しいですし、教室では一度に対応できる人数も決まっています。ITを絡めて遠隔でやることは必要なのではないかと感じていました。

 加えて、池田さんのお話にあるように、自分の動作がどうなっているか子供でも大人でも意外にわからないものです。陸上競技では日常的に動画を撮って確認し、自分の走りを振り返るのはトップ層では自然にやることです。それにより、視覚から得られる情報は多いもの。どこを変えるべきか、何をするべきか。映像を撮ることで、いい指導のクオリティを高める一つのきっかけになりそうだと感じています。『遠隔で良い指導が広がる点』と『映像を通じて自己を認識する点』の2つが動画のいいところだと感じます」

1 2