Jクラブと相互支援する日体大柏高サッカー部 怪我防ぐ「疲労度」モニタリング法とは
客観的なデータの説得力が、選手とのコミュニケーションを強化する
――「ONE TAP SPORTS」の活用で意識していることは?
八木トレーナー「データがあると選手への説得力は増すんですが、その一方でデータばかりにとらわれないよう気を付けています。数値はあくまでも選手のコンディションを伝えるひとつの情報。その数値をどう理解し、活用するかが大切だと考えています」
根引監督「私も個々の数値ではなく、波を見ることを意識しています。その日の状態だけでなく、数日間の傾向としてとらえるようにしていますね」
八木トレーナー「『ONE TAP SPORTS』のたくさんある入力項目の中で、選手に何を入力してもらうかは悩むところです。選手のコンディショニングにつながるか、負担にならないかを重視し、入力項目を決めています」
――「ONE TAP SPORTS」導入で変わったことは?
須藤選手「自分の状態がわかりやすくグラフで見られるのがいいですね。『最近疲れが溜まってるな』と客観的にわかるようになりました。あまり疲れていない日は、練習が終わった後に筋トレを追加したりしています。筋肉が張っているときは早めに整骨院でマッサージを受けたり、体重が増えてきたと感じたら食事をコントロールするなど、コンディショニングに役立てています。
八木トレーナー「選手とコンディションを確認するときは、客観的な数値をもとに話せるようになりました。怪我をした選手を復帰させるとき、あのときこうだったからこうなったと、過去にさかのぼって答え合わせができるので、選手の納得度は高いです。以前はカルテで管理していたんですが、『ONE TAP SPORTSのデータでカルテの内容をさらに掘り下げることができるようになったと感じています。
もうひとつは選手の意識ですね。毎日自分の状態を入力することで自分のコンディションに関する意識が高まり、トレーナーとして話がしやすくなりました」
根引監督「『ONE TAP SPORTS』を通じて選手がトレーニングメニューの負荷を振り返ることができるようになり、自分の身体に興味を持つようになってきたと思います。
ツールの導入にあたっては、選手自身が自分の身体を知るセルフコンディショニングにつなげたいと考えていました。自分が何をしたら熱が上がるのか、睡眠時間が少ないとどうなるのか、そうした状態で練習するとどうなるのか。自分自身を深く知ることは、パフォーマンス向上に欠かせない要素だと思います」