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「天才」の阿部一二三は「天才肌じゃない」 強豪校出身じゃなくても世界で勝てたワケ

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。柔道では、活躍した選手の恩師の育成法をクローズアップした短期連載を掲載。第2回は男子66キロ級で金メダルを獲得した阿部一二三(パーク24)。妹の女子52キロ級・阿部詩(日体大)と柔道史上初の兄妹同日金メダル獲得した一二三は高校時代、強豪校ではなく、地元・兵庫の神港学園に進学。中学チャンピオンになっていた逸材を、恩師の信川厚氏(神港学園柔道部総監督)は“阿部シフト”と呼ばれる特別メニューで、世界に通用する選手に育て上げた。(取材・文=THE ANSWER編集部)

恩師の信川厚氏が語る阿部一二三とは【写真:AP】
恩師の信川厚氏が語る阿部一二三とは【写真:AP】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#19

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。柔道では、活躍した選手の恩師の育成法をクローズアップした短期連載を掲載。第2回は男子66キロ級で金メダルを獲得した阿部一二三(パーク24)。妹の女子52キロ級・阿部詩(日体大)と柔道史上初の兄妹同日金メダル獲得した一二三は高校時代、強豪校ではなく、地元・兵庫の神港学園に進学。中学チャンピオンになっていた逸材を、恩師の信川厚氏(神港学園柔道部総監督)は“阿部シフト”と呼ばれる特別メニューで、世界に通用する選手に育て上げた。(取材・文=THE ANSWER編集部)

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 一二三との出会いは彼が小学校5年生のとき。その頃から練習生のような形で神港学園で稽古を始めていた。

 中学に入ると、ほぼ毎日、神港学園で練習。信川氏は「指導というか、本人が投げて一本取りたいと言っているもので、きちっと2つの手を組ませて、そこで打ち込みとか基本的なことをやらせた。本当、基本的なことばっかりだったんですけどね」と振り返る。

 一二三の理想は五輪3連覇の野村忠宏氏。しっかりと持って投げる、まさに日本柔道のお手本のような存在だった。信川氏が注目したのは、一二三の体幹の強さ。

「ほかの同じ年代の子よりすごく体幹が強かった。そこが一番すごいなと思ったところ。技に入ってから崩れない。潰れちゃわない。潰れないで担ぎ上げて最後まで投げる体勢を作れる。そういうところが、並外れているところがあった」

 子どものころから消防士の父・浩二さん考案の独自メニュー、“消防士トレ”で鍛錬。公園でメディシンボールや野球ボールを使うなど、腹筋も異なる角度をつけた。道場で基本の打ち込みを繰り返したのは、体幹の強さを生かす狙いがあった。

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