「11人全員を抜け」 元海外組が痛感したスペイン育成現場の“ドリブル優先主義”
個々が仕掛けられる選択肢を持つからパスもつながる
同じパス回しでも、アルゼンチンと日本を比べれば、圧倒的に前者の方が挑発的だった。
「アルゼンチンがあんなにパスを回せるのは、1対1だろうが1対2だろうが、絶対に取られないという技術があるからです。そうでないとボールは前に進んでいかない。逆に1対1でボールを奪われる可能性が50%もあれば、慌ててパスをつなごうとしてミスをしますよね」
パスしかできない選手たちが集まっても、パス回しは続かない。また危険地域にボールを運ぶこともできない。逆に個々が仕掛けられる選択肢を持つから、パスもつながる――。
それが攻撃を優先するスペインの哲学だった。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)