偏差値71の名門 高崎の文武両道ジャンパーがこだわった「陸上一本」じゃない3年間
全国高校総体(インターハイ)の陸上最終日は8日、男子走り高跳びで大平海史(高崎)は2メートル8で4位入賞したが、目標の日本一はならず。偏差値71の名門進学校で学年トップ10に入る文武両道ジャンパーは、涙とともに最後の夏を終えた。
大平海史が走り高跳び4位入賞、群馬の名門進学校で求めた勉強と部活の両立
全国高校総体(インターハイ)の陸上最終日は8日、男子走り高跳びで大平海史(高崎)は2メートル8で4位入賞したが、目標の日本一はならず。偏差値71の名門進学校で学年トップ10に入る文武両道ジャンパーは、涙とともに最後の夏を終えた。
台風が近づく沖縄の空の雲を跳ねのけるように高く、大平は跳んだ。2メートル8の3本目、軽やかな助走から踏み切り、バーに触れることなく、綺麗に越えた。端正な顔立ちが一瞬ほころぶ。「前半からなかなか助走が修正できず、ようやく2メートル8で跳びやすい助走ができた」。この時ばかりは手を叩いて喜び、感情を高ぶらせた。
しかし、続く2メートル11は2本続けて失敗。最後の3本目は踏み切りが合わずに跳躍できず、4位で終えた。堂々たる結果だったが、満足できなかった。「陸上を始めた時から高校3年生でインターハイで勝つことを目標にしてきた。最後の最後で跳躍せずに終わったことが悔しい」。試合後は入賞者で唯一、涙に暮れた。ただ、この日までの道のりには胸を張っていい。
高崎は偏差値71を誇る、群馬県屈指の進学校。福田赳夫、中曽根康弘という元首相をはじめ、政財界に多くの著名人を輩出している。中学時代、全国大会で5位に入る一方で、学業も学年トップ3の成績を収めていた大平は他のスポーツ強豪校ではなく、敢えて通称「高高(たかたか)」といわれる県立校を選んだ。理由は、明快だった。
「他の学校では陸上一本になってしまう。勉強も陸上と同じくらい頑張りたかった」