1年前から想い続けた夢 川村優佳、「3年生で優勝」を誓った最後の夏に流した涙
救ってくれた、たった6人の同期「さりげない言葉にいつも助けられた」
3年生の女子は、3学年で最も少ない6人。その分、絆は強かった。特別な言葉はなくとも、日常の会話の中にふっと肩の力が軽くなる励ましがあった。「だから、何か特別な言葉というと思い出せないけど、さりげない言葉にいつも助けられた」。苦しい時も高め合い、励まし合った仲間がいたから辿り着いた決勝の舞台。結果は満足じゃなくとも、1年間の努力には胸を張っていい。
勝って終われなかったが、まだ高校3年生。目標について「この種目で日本選手権の決勝に残って走ってみたい」と夢の続きを描いた。過酷な400メートル障害の魅力について問うと「走った後の達成感だったり、レース展開がすごく変わったり、そういうところに楽しさを感じる」と川村。そう言った時、涙の表情が晴れ、少しだけ笑みが戻った。よほど、この種目が好きなのだろう。
勝ち続けることだけが陸上じゃない。勝って感じる喜びもあれば、負けてこそ得る学びもある。長い競技人生、成長の余白は十分に残されている。この1年間、最後の夏に向け、全力で駆け抜けた想いは絶対に、無駄になんてしない。
◇インターハイの陸上は4日から8日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)