たった1人の「W」が駆ける夏 早実2年生・石塚陽士が229秒に込めた「ワセダの誇り」
中学時代はほぼオール5、将来は「早大で箱根駅伝」から「建築士」へ
町田南中時代は成績はほぼオール5。学年240人のうち、上位5番に入るほど学力優秀だった。明晰な頭脳は「自由なカラー」の早実で実践。自分で週5日の練習メニューも工夫し、スプリントを強化したいと思えば、短距離の400メートル組に志願して練習に加わり、強化に奔走してきた。
早実の陸上部は発展途上にある。今大会に出場したのは石塚のみ。沖縄にはサポートしてくれる同級生とたった2人で乗り込んだ。「一緒に行動してくれて、すごく感謝している」と二人三脚で全国の強豪校ランナーと渡り合った229秒。2年生にして努力の成果を示した。
卒業後は「早大で箱根駅伝に出たい」と意気込むが、その後は「陸上をやるつもりはない」と将来も見据える。夢は建築士になること。そのために大学では理系に進み、箱根と建築士の夢を追いかけるつもりだ。「大変になると思うけど……」と笑いながらも、はっきりとした口調に強い意志を感じさせた。
ただ、高校生活で求めるのは、早実で完全燃焼すること。今大会は5000メートルにもエントリー。「まずは次の5000メートルも頑張る。1500メートルは2年生で入賞できたので、来年は3年生で優勝したい」と意気込んだ。ユニホームの「W」の内側にある胸には「ワセダの誇り」が宿されている。
◇インターハイの陸上は4日から8日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)