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1年前はモップ係で見たコート 桑名工が立った夢の全国で「諦めなかった60分間」

全国高校総体(インターハイ)は4日、熊本でハンドボールが開幕し、男女の1回戦32試合が行われた。初出場の桑名工(三重)は、インターハイ優勝経験を持つ小林秀峰(宮崎)に18-33で敗れ、全国初陣を飾ることができなかった。

初出場の桑名工は小林秀峰に18-33で敗れた【写真:山田智子】
初出場の桑名工は小林秀峰に18-33で敗れた【写真:山田智子】

インターハイV経験持つ小林秀峰に18-33で敗戦、全国初陣飾れず

 全国高校総体(インターハイ)は4日、熊本でハンドボールが開幕し、男女の1回戦32試合が行われた。初出場の桑名工(三重)は、インターハイ優勝経験を持つ小林秀峰(宮崎)に18-33で敗れ、全国初陣を飾ることができなかった。

 いきなり全国大会の洗礼を受けた。ミスから速攻から4連続失点を喰らい、開始5分で0-4と追いかけるスタートになる。「走り合う展開」に持ち込みたかった桑名工だったが、「体格、スピード、シュート力、全てが想像していた以上でした。選手たちもそれを感じ取って、前半は足が止まってしまった。相手と勝負できず、点差が離れてしまった」(長谷川将規監督)。タイムアウト後は7メートルスロー、速攻の連続得点で粘るも、8-18と2桁ビハインドで前半を終える。

 後半は変則ディフェンスで相手のリズムを崩し、横田滉希の速攻やサイドシュートなど、スピードを生かした攻撃で持ち味を発揮し始める。しかし、小林秀峰はセットオフェンスと速攻を織り交ぜ、着実に加点。点差を縮めることができず、18-33で初めてのインターハイを終えた。

「ビデオを見て対策していたより、もっと上のレベルのハンドボールをされて、全然歯が立たない状況でした。相手のバックプレーヤーにバチバチに当たろうと話していたんですが、身体が大きくて受け止めるのに精一杯でバチバチに行けなかった。戻りを徹底しようと言っていたんですが、走られまくってしまった」。6得点を挙げた横田は自分たちのハンドボールができなかったと悔やんだ。

 それでも指揮官の表情は晴れやかだった。

「どういう展開になっても、60分間諦めずに、しっかりとハンドボールをして戦おうと送り出しました。選手たちはそれを実行してくれて、60分間戦ってくれたので、今は満足感に浸っています」

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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