16歳の天才、堤麗斗が「4冠」達成 世界へ向けての通過点「タイトルは気にしてない」
兄に続く世界ユースVが最大の目標
「世界ユースもアジアユースも、全日本選手権もあります」。兄の駿斗は4年前の世界ユースを日本人で史上初めて制した。麗斗も2年に一度、開催されるこの大会を目指している。
過去には「獲れるタイトルは全部獲りたい」と誓っていた。プロで3階級制覇の井上尚弥(大橋)も高校生として全日本選手権で優勝。「そんなに余裕はなくて、いつ下から抜かれるのかって思っています」と危機感も口にするが、規格外のスケールを秘める堤なら、決して夢ではない目標だ。
関茂峰和監督は今大会での収穫についてこう説明する。「5試合で長身のファイターもいた。カウンターパンチャーもいた。様々な相手と対戦して、思い通りにならない中でも勝ち切れる力がついた」。5日間で5戦という過酷なスケジュールをこなし、また一つ大きくなったことを確信している。
3週間後には国体へ向けた予選がスタートする。「酷い筋肉痛とかでなければ、明日から動こうと思います」。優勝の余韻に浸ることなく、すぐに次へ向けて始動する。「誰も到達したことのない高み」を目指し、16歳の天才はリングに上がり続ける。
◇インターハイのボクシングは7月29日から8月3日までの熱戦が終了。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)