桐光学園Vを支えた、たった1人の女子マネ 咲いた笑顔「皆と頑張ってきて良かった」
桐光学園の全国大会初制覇の陰に、一人で裏方の仕事をすべてこなしてきたマネージャーの存在があった。
55人を1人で…3年生・鈴木美南さん、6日間5試合の「とにかく忙しい大会」で奮闘
桐光学園の全国大会初制覇の陰に、一人で裏方の仕事をすべてこなしてきたマネージャーの存在があった。
鈴木勝大監督の娘である3年生の鈴木美南さんは、代々、マネージャーを採用してこなかった桐光学園サッカー部で志願して入部し、1年次からチームに同行。暑い日も寒い日も選手と苦楽を共にし、55人の部員をたった一人で支えてきた。最後の全国高校総体(インターハイ)。もちろん昨年の準優勝という悔しさも経験している。富山第一(富山)との決勝で、リベンジを誓う気持ちは選手同様に強かった。
今大会、シード校の桐光学園は2回戦からの登場となったが、それでも6日間で5試合という過酷なスケジュールだ。選手たちは心身ともにタフさを求められ、それを一人でサポートするマネージャーにとっては「とにかく忙しい大会」(鈴木美南さん)である。
試合中は手足を止めることなく常に動く。状況をくまなく観察し、次に何をすべきか考え、少しでも選手の助けになるように労を惜しまず働く。だから数メートル先で行われている試合を見ている余裕はほとんどない。ボトルで水を飲めば、そのボトルを片付ける人がいるというわけだ。試合前だけでなく、試合中も試合後も、暇な時間はない。ゴールシーンを目にするのはもっとレアケースだ。