「あの試合は忘れられない」文武両道の県立女子高バレー部に活を入れた「1点」の重み
チームの目標はベスト8進出、主将が考えるチームの強みは「臨機応変」さ
自分たちの弱さと向き合い、克服しようと努力したチームは、2019年を迎えてから1月の新人大会、5月の県高校総体、6月のインターハイ予選で3冠達成の快挙を飾った。しかも、3大会を合わせて落としたセット数は、わずか「1」。最後まで勝ちきる目標を、最高の形で実現してきた。
そして迎えるは、念願のインターハイの舞台だ。高崎女子高は25日の予選で帯広南商業高(北海道)と対戦する。チームとして掲げる目標は「ベスト8」。そして、1年生の頃からチームを支えてきた3選手も、それぞれに想いを抱く。
「去年よりもメンタル面が強くなり、決めなければいけないところで決められるようになりました。対戦相手のスタイルを見て、試合中に臨機応変に戦術を作れるのが高女の強み。目の前の1戦1戦に集中して戦えば、ベスト8は狙えると思います」(丸山)
「コースを突くスパイクを打つのが得意。インターハイが最後になるので悔いの残らない思い切ったプレーをしたいです」(森)
「仲間と一緒に頑張ろうという思いが強い学校。インターハイに出て勝ちたいというのが全員の目標。ベスト8に入れる自信はあります」(金子)
石原監督は、試合をする以上は勝つことも大切だが、そこに至るまでのプロセスであったり、何よりも選手が持つバレーボールを好きだという気持ちを大切にしたいと考えている。
「社会に出た時、バレーボールをやっていた経験が生きたり、バレーボールをやってよかったと思ってもらえることが大事。高校時代の部活の仲間とは、苦しいことを一緒に乗り越えたり、勝つ喜びを分かち合ったり、強い絆で結ばれると思います。このままバレーボールが好きだという気持ちを失わずに、将来、どんな形でもいいから競技に携わってくれるとうれしいですね」
監督の想いは、しっかり選手に伝わっている。丸山、森、金子に将来の夢を聞くと、3人は異口同音にこう言った。
「教師になってバレーボールを指導したいです」
初めて臨む全国の舞台で、1点の重みを知る選手たちはどんな戦いぶりを見せるのか。宮崎で迎える真夏の決戦が、選手たちにとって何物にも代えがたい経験となることは間違いない。
◇インターハイの女子バレーボールは7月25日から7月28日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(THE ANSWER編集部)