「ほっとして自然と涙が…」 女子52kg級は地元・北海の横地萌恵が日本一、大歓声浴び畳で感涙
柔道の全国高校総体(インターハイ)は11日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で女子の個人戦が行われた。52キロ級では横地萌恵(北海)が優勝。地元の声援を力に変えて、涙の日本一を掴んだ。
柔道インターハイ、女子個人戦
柔道の全国高校総体(インターハイ)は11日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で女子の個人戦が行われた。52キロ級では横地萌恵(北海)が優勝。地元の声援を力に変えて、涙の日本一を掴んだ。
溢れる感情を抑えられなかった。決勝で島野芽李(埼玉栄3年)と対戦。準決勝に続く延長戦で疲労はピーク。心が折れかけても、客席の声援に背中を押された。最後は大内刈で技ありを奪い、決着。「ようやく日本一になれて嬉しい気持ちでいっぱい。凄い応援の声が聞こえて、ほっとして自然と涙が出てきました」。涙をぬぐいながら、斎藤順道監督と握手を交わした。
生まれ育った和歌山で、小学3年生から始めた柔道。北海に進んだ先輩に誘われ、後を追うように入学した。縁もゆかりもなかった北海道。慣れない寮生活と練習で、最初の1か月はホームシックになった。毎日のように電話した母から「まずは1か月頑張れ」と励まされ、今では寮生活が大好きになった。
「練習から帰って、みんなでワイワイご飯を食べてしゃべったり。しょうもないことばかりですけど、試合が終わったらみんなで集まってお菓子食べたり、それでまた試合まで頑張れる」
大きな挫折は昨年、全国大会に繋がる県大会で全て敗れたこと。「一度も勝てず落ち込んだし、どうしたらいいか分からなくなった」。そんな横地を斎藤監督、仲間は見捨てなかった。「来年がある。そこを目指せばいい」。一発にこだわりすぎる短所と向き合い、足技を繋いで崩す練習も重ね、これ以上ない結果を1年後に残した。
「投げることを一番に考えて怒られちゃうし、指導も考えろって言われるけれど、投げ切るのが自分の柔道。勝った時はすごくうれしい」
目標の選手は東京五輪金メダリストの阿部詩。力技だけじゃない技術に憧れている。「日本一が取れたので、次は世界で。五輪に出たいので、その目標に向かっていきたい」。今大会、最も大きな歓声を浴びた横地。いつか、これを超える拍手を受けるかもしれない。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)