「人がいるってこんなに良いんだ」 部員5人の平田、唯一の3年・中島千波が叶えた6年ぶり夏舞台
柔道の全国高校総体(インターハイ)は10日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で女子団体が2回戦まで行われた。部員5人ながら6年ぶりの団体戦インターハイ出場を果たした平田(島根)は、唯一の3年生部員・中島千波の活躍で初戦を突破。2回戦で敗れたものの、中島は「これまでありがとう。これからも頑張って結果を残してほしい」と後輩たちに感謝の言葉を贈った。
柔道インターハイ、女子団体戦
柔道の全国高校総体(インターハイ)は10日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で女子団体が2回戦まで行われた。部員5人ながら6年ぶりの団体戦インターハイ出場を果たした平田(島根)は、唯一の3年生部員・中島千波の活躍で初戦を突破。2回戦で敗れたものの、中島は「これまでありがとう。これからも頑張って結果を残してほしい」と後輩たちに感謝の言葉を贈った。
可愛い後輩たちがいたから、この夏の舞台がある。畳の上で感謝を胸に戦った。1回戦では藤枝順心(静岡)と対戦。西藤心彩(1年)、福田さくら(2年)の2人が引き分け、大将の中島に回ってきた。「失点なしで回してくれた。自分が取らないとチームが勝てない」。見事に合わせ技一本で勝利。2回戦は長崎明誠に3-0で敗れたものの、団体戦を終えた中島に涙はなかった。
中島が入学した時、女子の柔道部員は1学年上の先輩が1人だけ。それでも男子部員に交じり、同じメニューをこなして鍛錬した。「最初は大変だったけれど、パワーも精神力もついた」。翌年、後輩が入部。少人数だから、自然とまとまりは良くなった。
「新しく入ってきてくれたことで『人がいるってこんなに良いんだ』って改めて気づけました。団結力が練習を積み重ねていく中で高まっていく実感があったし、全国に行く自信はありました」
両肘、膝など怪我の多い高校生活だった。それでも「遅れをとらないように、他の人より強くなれるように」と折れなかった。キツい練習も高橋拓監督、三原真実(2年)ら後輩たちと乗り越え、島根県大会では決勝で出雲西を破って団体戦インターハイ出場を叶えた。
12日の個人戦63キロ級にも出場。大学でも柔道は続ける予定だ。「皆が頑張っているから、仲間がいるから頑張れた」。最後まで感謝を口にしていた。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)