実家は牛200頭飼育、東京ドーム14個分の農地 帯広農業・宮北啓史&千田優瑚は自然とともに成長
柔道の全国高校総体(インターハイ)は10日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で男子の個人戦が行われた。地元・北海道の帯広農業からは81キロ級で宮北啓史、90キロ級で千田優瑚(ともに3年)が出場。人気漫画「銀の匙」の舞台として知られる同校で自然とともに学びながら、全国の舞台に辿り着いた。
柔道インターハイ、男子個人戦
柔道の全国高校総体(インターハイ)は10日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で男子の個人戦が行われた。地元・北海道の帯広農業からは81キロ級で宮北啓史、90キロ級で千田優瑚(ともに3年)が出場。人気漫画「銀の匙」の舞台として知られる同校で自然とともに学びながら、全国の舞台に辿り着いた。
十勝平野に広大な敷地を持つ帯広農業。農業高校生たちの日常と青春を描いた漫画「銀の匙」のモデルとなったことでも知られる。
酪農科学科で学びながら柔道に打ち込んだ宮北は、初戦でスクバット・エンフオチラル(明徳義塾)にリードされながら、最後は裏投げで合わせ技一本。全国1勝を手にしたが、2回戦では知念輝音(沖縄尚学)に背負い投げで敗れた。「(裏投げは)最後にとっさに出た。負けた相手は、組み手が段違いにうまかったです」と晴れ舞台を振り返った。
北広島の実家は肉牛関係の経営をしており、アンガス牛や和牛を約200頭ほど育てている。「酪農、肉牛の勉強も、柔道もできる」。将来を見据えて帯広農業に進学した。
朝実習の時は午前4時に起床。眠い目を擦りながら牛の乳しぼりや掃除に励んだ。一番心に残っているのは、自分たちで育てた鶏を屠殺(とさつ)し、食肉として食べたこと。将来、仕事で直面する厳しさを、学生の間に授業で学んだ。「卵から見てきたので、悲しい思いはある。でも、それがなければ自分たちは生きていけない」。食のありがたみを痛感した。