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ホームシックで「今すぐ離れたい」の過去から飛躍 東北の大将・長田竜駕が胸に宿す「恩返し」の炎

柔道の全国高校総体(インターハイ)は8日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で開幕。初日は男子団体戦が3回戦まで行われ、東北(宮城)が4回戦に駒を進めた。長田竜駕(3年)は地元・山梨から単身で越境入学。慣れない生活にホームシックとなった時期もありながら、仲間の支えもあって大将を任せられるまでになった。

4回戦進出・東北の大将を務めた長田竜駕【写真:宮内宏哉】
4回戦進出・東北の大将を務めた長田竜駕【写真:宮内宏哉】

柔道インターハイ開幕、男子団体戦

 柔道の全国高校総体(インターハイ)は8日、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で開幕。初日は男子団体戦が3回戦まで行われ、東北(宮城)が4回戦に駒を進めた。長田竜駕(3年)は地元・山梨から単身で越境入学。慣れない生活にホームシックとなった時期もありながら、仲間の支えもあって大将を任せられるまでになった。

 旭川龍谷(北海道)との3回戦。2-1とリードして迎えた大将戦で、畳に上がった長田は気合十分だった。

「チームに助けられた分、勝って恩返ししないと。負けちゃいけない。ここで一本取られたら負けてしまう。引き分けじゃなくて、一本取るぞという気持ちでした」

 高谷駿(2年)を相手に、技ありを奪ってそのまま決着。「ガチガチ」で本来の力を出せなかった1回戦(引き分け)、2回戦(優勢負け)とは違う堂々の姿で、天を見上げるように「フーッ」と息を吐いた。

 東北に進学した地元の先輩に憧れ、「県内に残るより、県外に出て強くなりたい」と親元を離れての入学を決意。寮生活で最初は上手くいかないことばかり。ホームシックにもなった。

3回戦の旭川龍谷戦に勝利。決着の瞬間「フーッ」と息を吐いた【写真:宮内宏哉】
3回戦の旭川龍谷戦に勝利。決着の瞬間「フーッ」と息を吐いた【写真:宮内宏哉】

 1年生の役割である掃除や練習の準備も上手くできず、叱られたり逃げ出したこともある。「辛い。今すぐここを離れたい」。試合で勝てればその思いも緩和されたかもしれないが、入学直後から県大会でも勝てなかった。

 実に約1年、1回戦負けばかり。「試合になると体が思うように動かない。なぜだろう」。苦悩の長田を救ったのは、同級生の絆だった。

 3年間、誰一人辞めずに部活動をやり遂げた年代。「まとまりがよくて、全員で同じ方向を向いている。ガチガチの自分に対しては、試合について直接的に声をかけるんじゃなくて、普段のノリでほぐしてくれて。そこで楽になりました」。2年生になり、新人戦で初優勝。負けっぱなしから一気に飛躍した。

 寮生活で改めて感じたのは親のありがたみ。「以前はお金の面で言いたいことを言っていたんですけど、今は月でお小遣いが決まっていて、自分で調整して我慢しなきゃとか。支えてくれる親の存在って、当たり前にあるものじゃないんだなって痛感しました」。恩返しに燃える大将。高校最後の大舞台で全て出し尽くす。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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