偏差値70、愛知の進学校・時習館 週6日の部活後に塾通い、熊谷実華が笑った最初で最後の全国の夏
同級生・小原すずかと切磋琢磨 夢は体育の先生になること
ここに来るまでに感謝したい戦友がいた。今大会、時習館からもう一人、女子800メートルに出場した同級生の小原すずか。4日の予選で2分12秒28の組3着で惜しくも準決勝を逃したものの、熊谷にとっては「良いライバルだし、良い仲間です」という。
「ずっと一緒に頑張ってきて、特に今年の冬季練習は2人で死ぬ気になりながら走っていた。すずかは自分に負けず、どんなにきつくても決められたメニューは絶対にこなす。お互いに刺激をもらい合っていたので、一緒に頑張ってここまでこられて良かったです」
こうして仲間と切磋琢磨してきた熊谷の将来の夢は、体育の先生。教育学部のある国公立大学の受験を目指す。
部活で全国大会に出場し、推薦のチャンスもあるが、本人は首を横に振る。「それで受かるとも限らないので。ちゃんと勉強もして、一般で受かるように頑張ります」という抜かりのなさに、実直な性格と限りない向上心がうかがえる。
「ここまで部活を頑張って、勉強も頑張ってきたので、先生としてこの経験を生徒たちに教えて、生徒たちもこういう大きな舞台で輝いてくれたらなって。生徒から愛されて、頼ってもらえるような先生になりたいです!」
文武両道で作った夢の続きは、まだ見ぬ教え子にバトンが繋がる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)