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文武両道に憧れ、名門・仙台一から陸上で全国2位 登下校の電車で英単語を覚えた千葉史織の青春

陸上の全国高校総体(インターハイ)第3日は4日、札幌市厚別公園競技場で女子400メートル障害決勝が行われ、仙台一(宮城)の千葉史織(3年)が高校歴代6位の57秒85で銀メダルに輝いた。仙台一といえば、1892年創立の名門進学校。千葉は登下校の時間を使って勉強を習慣づけるなど、文武両道を貫いて全国2位に。最後の夏で自己ベストを一気に3秒近く更新する躍進だった。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

京都橘・滝野未来(左から3人目)と競り合いハードルを跳ぶ仙台一・千葉史織(同2人目)【写真:荒川祐史】
京都橘・滝野未来(左から3人目)と競り合いハードルを跳ぶ仙台一・千葉史織(同2人目)【写真:荒川祐史】

陸上インターハイ第3日・女子400メートル障害決勝

 陸上の全国高校総体(インターハイ)第3日は4日、札幌市厚別公園競技場で女子400メートル障害決勝が行われ、仙台一(宮城)の千葉史織(3年)が高校歴代6位の57秒85で銀メダルに輝いた。仙台一といえば、1892年創立の名門進学校。千葉は登下校の時間を使って勉強を習慣づけるなど、文武両道を貫いて全国2位に。最後の夏で自己ベストを一気に3秒近く更新する躍進だった。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 57秒台を出して、インターハイで優勝する。千葉はこの1年間、願い続けた想いをハードル一台一台にぶつけた。

 前半は抑えながら、7台目を跳ぶと歩幅を16歩から17歩に切り替え、ラストスパート。直線に入ると、他7人を突き放して優勝候補だった京都橘(京都)の滝野未来(3年)とマッチレースに。10台目を終えて完全に並んだが、わずかに及ばず0秒40差で2位。タイムは自己ベストを一気に1秒41更新する57秒85だった。

「1位を狙ってずっと練習をしてきたので、悔しい気持ちも大きい。58秒台も出したことがなく、57秒台に乗せられたのは良かったと思うけど、最後の競り合いで滝野さんの方が力を持っていて負けてしまった。そこで競り勝てるくらいの力をつけていきたい。悔しいところが一番大きいです」

 胸に秘めていた2つの目標。57秒台は出せたが、インターハイ優勝には届かず。「悔しい」が何度も口を突いた。それでも、7月まで自己ベストは60秒台。それが1か月前の宮城県選手権で初めて1分を切り59秒23をマークすると、今度は高校歴代6位の好タイム。十分に胸を張っていい走りだろう。

 仙台一は政治学者の吉野作造、小説家・井上ひさし、映画監督・岩井俊二ら多くの著名人を輩出し、男子校から2010年に共学化。制服もない自由な校風と文武両道を標榜し、昨年度も東大を筆頭に、地元の東北大、京大や阪大など国公立大に多数の合格者を出した。

 千葉もそんな文武両道に憧れ、古川黎明中から仙台一に進学した。「宮城の高校は勉強か部活か、どちらかに偏ってしまう学校が多い。でも、一高に行けば、勉強も部活も両方、頑張れると思った」。強い意志で二兎を追った3年間だった。

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