【ハンドボール】盤石の氷見、春夏2冠王手 今大会1度もタイムアウトなし「こちらで切る必要がない」
全国高校総体(インターハイ)のハンドボール男子の準決勝が31日、三重県津市のサオリーナで行われ、センバツ優勝の氷見(富山)が北陸(福井)を37-30で退け、春夏2冠に王手をかけた。
ハンドボール男子決勝進出、“タイムアウトなし”に表れる絶大なる信頼
全国高校総体(インターハイ)のハンドボール男子の準決勝が31日、三重県津市のサオリーナで行われ、センバツ優勝の氷見(富山)が北陸(福井)を37-30で退け、春夏2冠に王手をかけた。
「必ずギリギリの接戦になると思っていた」と氷見の徳前紀和監督が予想した通り、「いつも練習試合している」お互い知り尽くした北陸勢同士の対決は、試合開始直後から乱打戦の様相を見せる。
氷見が清水裕翔(3年)のミドルシュートで先制すると、間髪入れずに北陸は鍋島聖弥(3年)の連続得点で逆転。「前半は調子がよく、チームを引っ張れた」と話すU-19日本代表のセンター・安平光佑軸(3年)を軸に、窪田礼央(3年)、清水が発想力溢れるオフェンスで得点を積み上げる。一方の北陸は鍋島、治田大成(3年)の両ウィングプレーヤーを中心に応戦。両者一歩も譲らず、激しいリードチェンジが続く。
16-16で迎えた前半残り5分、氷見は連続速攻などでたたみかけて4点のリードをを奪い、20-16で前半を折り返す。
後半に入ると、個の力で勝る氷見は相手のミスに乗じて速攻を仕掛け、徐々に点差を広げ始める。
さらに「キーパーの1年生が頑張ってくれて、速攻で攻められて点差が開いたので良かった」と安平が勝因の一つに挙げた1年生GK・紅出勘太郎の好セーブや、「センバツ以降、彼の下半身や股関節の強さを、ポストプレーヤーとして生かしたら、さらに広がると思ってトライし続けてきた」八木泰陸(3年)のポスト起用が的中。氷見が点差以上の内容で圧倒して37-30で勝利した。
絶対的な本命という前評判通り、決勝に駒を進めた氷見。しかし難しいのは勝つことよりも、勝ち続けることだ。その強者にしか背負えない命題を、氷見はコート内外の総合力で跳ね返した。
「苦しい時間帯が続くと思っていたが、1本ずつ辛抱して、うちのリズムを作り、最後まで仕上げることができたのが勝因」と徳前監督。