【バレーボール】悲願初Vの市尼崎、“雑草軍団”を成長させた伝統からの転換 「荒々しいバレーを」
全国高校総体(インターハイ)のバレーボール男子の決勝が30日、三重県内で行われ、市尼崎(兵庫)が洛南(京都)を3-2(25-21、35-33、22-25、14-25、22-20)で破り、初優勝を飾った。たたき上げの雑草軍団が、準決勝で鎮西(熊本)を、決勝でも洛南とV候補を立て続けに撃破。一戦ごとに力をつけて挑戦まで駆け上がった。
インターハイ男子バレーボール決勝、“雑草軍団”市尼崎がV校を立て続けに撃破し初V
全国高校総体(インターハイ)のバレーボール男子の決勝が30日、三重県内で行われ、市尼崎(兵庫)が洛南(京都)を3-2(25-21、35-33、22-25、14-25、22-20)で破り、初優勝を飾った。たたき上げの雑草軍団が、準決勝で鎮西(熊本)を、決勝でも洛南とV候補を立て続けに撃破。一戦ごとに力をつけて挑戦まで駆け上がった。
歓喜が頂点に達した瞬間、人は不思議な行動をとる。2時間を超える死闘を制したコート上の戦士たちは、その場に崩れ落ちた。コートに転がりながら、感情を爆発させた。叫ぶ者もいれば、泣きだすものもいる。そこに控え部員たちもなだれ込んでくる。紺色の集団はあっという間に歓喜の塊となった。
まさに死闘だった。第1セットを先取して迎えた第2セットは、両チーム一歩も譲らない大激戦。24-23のセットポイントから、取られては取り返す一進一退の展開。最後は34-33、11度目のマッチポイントで宮城テリーク(3年)が決めて、セットカウントを2-0とした。
それでも第3、4セットを奪い返され、勝負は最終セットへ突入。洛南に先にマッチポイントを与えたが、驚異の粘りを発揮。22-20でこのセットを取り、大激戦に終止符を打った。
主将の安井恒介(3年)も泣いていた。チームメートの手で宙を舞い、ようやく実感がこみ上げてきた。「学校にとっての初優勝なので、今はとにかくうれしいです。大会の前はチームが停滞して不安なまま来てしまったけど、一人一人の心が一つになって勝ち切れた。やっぱり気持ちです。最後まで全員が攻めないと勝てない。最終セットは今までやってきたことを全部出そうと思っていました。監督に恩返しができました」と喜びをかみしめた。