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日曜日はオフ、年休制度あり 異端の強豪バスケ部が“バスケだけに固執しない”理由

主将を務める3年生の野崎海斗【写真:平野貴也】
主将を務める3年生の野崎海斗【写真:平野貴也】

データ班、応援部、審判部…試合に出ない選手も担うチームの役割

「カンボジアでは、すごく行動力が必要だったので、その点は身につけて帰って来られたと思います。帰国してすぐに練習試合が続いたんですけど、上手くなったって先生に言われました。僕は声を出すキャラで、引っ張る役割。それをやったら、結果が付いて来た。でも、まだ、周りを巻き込む力が足りないなと思っています」(野崎)

 現地では、バスケットはしていない。それでも、自ら考え、行動することを覚えた者は、実行力や修正力を身につけていく。選手として上達しても、不思議はない。今年の3年生からは、いわゆる特待生がおらず、当然、長身留学生もいない。それでも強豪ひしめく大阪を制することができるのは、若者の好奇心と主体性をチームの力にうまく還元できているからに違いない。

 オフを生かす近大付には、若者のアイデアや主体性が1つになったときの爆発的な強さがある。80人弱の大所帯で、試合に出られる選手は限られるが、試合に出ない選手も、チームの役割を担う。主なものを挙げれば、データ班と応援部がある。

 データ班は、10人弱。入学時に全生徒が購入して授業などで使うタブレット端末を駆使する。相手の試合のビデオ分析から選手の特長を割り出し、みんなの前で発表する。リーダーを務める渡邊韻生(3年)は「注意すべきセットプレーの映像を編集して伝えて、実際にそれをやって来て防げたときなどは、嬉しいです。Bチームでも、一人ひとりに役割があって、チームにいるという存在感があるのが良い」と話した。渡邊はチーム内の「審判部」でも活動。審判の資格を取り、練習試合で笛を吹く。試合後には、味方に「あのプレーは、ファウルになるから直した方が良いよ」とアドバイスを送る。

 応援部は、試合で選手に送る応援歌を作り、リードボイスを歌うなど声援の音頭を取る。大西恒之介(3年)は「なるべく、他校と同じにならないように、オリジナルで盛り上がる応援歌を作るようにしています。どこも一緒と思われるのは、嫌。応援のおかげで勝てたと言われると、もっと応援したくなる。応援の力は、すごいと思う。大阪府予選の大塚戦は、相手の応援もすごかったけど、負けたくないと思って応援したし、試合に勝つことができた。全国大会でも、近大付属の応援はすごいなと思われる応援をしたい」とチームを支える心意気を示した。ほかにも応援グッズを作る企画部などがあり、全員で一つのチームを盛り上げ、勝とうという気風が漂っている。

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