ここにいる4人の仲間が「もう大好きです」 市船橋、日本一の絆が凝縮されたマイルリレーV
篠原「このメンバーのために頑張ろうと思うから、走ることができる」
「利璃香はパワフルで、最後の強さがある。渡せばどうにかなる、という安心感」
同級生をそう信頼して、待っていた3走・志水芹菜(2年)はきつい冬季練習を思い返した。「すべての想いの頂点が、この場所。ここで絶対1位になりたかった」。苦しい時に支え合った4人で、この夏の最後に走れることがうれしかった。
後ろから3、4コーナーで中京大中京、山形中央に迫られた。しかし、ラスト50メートルで粘り、もう一度、突き放した。そして、「普段はふわふわしているけど、試合になると集中していてギャップが凄い」と憧れる先輩に想いを託した。
「絶対、後ろに負けない」
アンカーの3年生・佐藤は3人に感謝していた。同級生の1走・篠原が1番で持ってきてくれた時点で「いける」と思った。「利璃香が差をしっかり広げて、芹菜がしっかり粘って1位で渡してくれた」。残された役割は、たった一つ。先頭でゴールすることだけ。
3人がつないでくれた緑のバトンを左手で握り締め、腕を振った。400メートルリレーで優勝を逃した想いは篠原とも同じ。「本当に、本当に悔しかった」。先頭でゴールに飛び込み、待っていた3人と抱き合った瞬間、すべての努力が報われた気がした。
女子最終種目。市船橋が全員で掴んだ金メダル。
リレーにはリレーにしかない、楽しさがある。
そして、その学校のカラーがよく表れる。
「仲間がいることが私は心強くて。アップの時から3人いる、サポートメンバーを含めてみんながいる。このメンバーのために頑張ろうと思うから、走ることができる」
そう表現した1走の篠原は、最後に少し照れくさそうに笑った。
「みんな、本当に信頼できて、もう大好きです」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)