開始早々の“喝”で覚醒 京都精華、悲願のインターハイ初優勝を呼び込んだ全員バスケ
試合を重ねるごとにチームプレーの精度が向上
相手の守備が広がってからは、八木やガードの桃井優(1年)がドライブで切り込んで得点を重ねた。年代別代表選手がいることなどもあり、大会前はプレーを合わせる時間を十分に作れなかったが、大会を通して積み上げてきたものが、最終決戦で存分に発揮されていた。
八木は「初戦はチームがプレーで合わない部分もあったけど、試合をしていくごとに良くなってきた。特に(3回戦で優勝候補の)桜花学園(愛知)戦に勝てたことで、全体に勢いがついて、一つになろうという思いがチーム全体に感じられた」と話した。自身もマークが厳しい時間帯は得点ではなくチャンスメークに注力するなどチームプレーのなかで活躍。高さを生かしたウチェの活躍を軸にしながら、展開によって点を取る選手が変わっていく攻撃は、間違いなくチーム力によって体現されたものだった。
第1ピリオドのタイムアウトで喝を入れられたチームが、ディフェンスから立て直し、全員が役割を発揮する攻撃で相手を圧倒。京都精華が、悲願の日本一に輝いた。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)