残り5秒で劇的な逆転3ポイント 福岡第一エース、優勝が懸かるプレーを後輩に託した理由
轟が見ていた崎濱の人一倍努力する姿
劇的な3ポイントシュートを決めた崎濱はU16日本代表の活動からチームに戻った後、コンディションが上がらず、今大会では苦しみながらプレーしていた。轟は、なぜ最後に崎濱に託したのか。エースガードが見ていたのは、崎濱のポジショニングだけではなかった。
「最初は自分で(ゴールへ)上がろうと思ったけど、ディフェンスが思った以上に(自分に)寄っていて、崎濱が決めてくれるだろうと思って、パスを出しました。2年生だけど、すごく頼りがいがあるなと思った。崎濱は朝早くシューティングなどをしていて、人一倍努力をしているので、そういう信頼はあります」(轟)
崎濱は、中学時代はドライブでゴール下へ侵入して点を取るスタイルだったが、高校に入ってから外角シュートを磨いてきた。「中学の時は3ポイントは全然狙っていなかった。中学と高校はまったく違う。相手がデカい。外のシュートがなかったらやっていけないと思って、高校に入ってからは外のシュートを練習し続けています」と話した努力を、最上級生のエースはしっかりと把握していた。
残り5秒の大逆転のなかには、必然が潜んでいた。土壇場で出たのは指揮官さえも驚いた、練習の賜物であるショットだった。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)