キーパーだって目立ちたい! 四日市中央工、GK有留奎斗の好セーブでPK戦制し8強入り
第98回全国高校サッカー選手権は3日、3回戦が首都圏4会場で行われ、フクダ電子アリーナでは四日市中央工(三重)と日章学園(宮崎)が対戦した。3-3の同点の末に行われたPK戦では、GK有留奎斗(3年)の好セーブなどにより、四日市中央工が4-3で勝利。6年ぶりの8強入りを決めた。
次戦は4強入りをかけて矢板中央と対戦
第98回全国高校サッカー選手権は3日、3回戦が首都圏4会場で行われ、フクダ電子アリーナでは四日市中央工(三重)と日章学園(宮崎)が対戦した。3-3の同点の末に行われたPK戦では、GK有留奎斗(3年)の好セーブなどにより、四日市中央工が4-3で勝利。6年ぶりの8強入りを決めた。
キッカーと対峙し、気持ちが高ぶった。「ここで活躍したら、俺ヒーローやぞ」。PK戦、1本リードを許して迎えた4人目。有留はキッカーの些細な動きも見逃さなかった。「ボールの置き方で、なんとなくわかる」。見透かしたように右に横っ飛び。シュートを枠外にはじき出してガッツポーズした。リードして迎えた相手の5人目も外し、勝利を掴んだ。「本当は80分で勝ちたかったけど、『俺を見てくれ』という性格なので。やっと自分にスポットライトが当たったぞ、と」。勝利に貢献し、胸を張った。
後半に3失点、うち1点をPKで決められていたが、自信があった。相手の日章学園は、2回戦の市船橋(千葉)戦をPK戦の末に勝利している。ミーティングで映像分析し、シュートの傾向などを頭に入れた。選手権出場決定後は2度行われた練習試合のPK戦でいずれも負けており「5本全部決められて負けるのが嫌で仕方なく、自信を無くしかけていた」というが「今日はいつもと感覚が違うな、いけるなと思った」とヒーローは満足げだった。
ドッジボールが得意だったことから、小3からGKになった有留だが「自分自身が仕事するというより、前の選手が点取ってたので『目立ちたいな、フィールドしたいな』という気持ちになったこともある」と正直に話した。だが、GKの魅力も当然、知っている。「自分が止めれば流れを一気に持ってこれる。ポジションは1つ、専門職、手を使えるのは自分ひとり。自分だけってところで目立ってると思う」。キーパーが最も輝くPK戦で実力を発揮し、さらに自信をつけた。
チームが最初の目標としていたベスト8入りは達成した。次戦は5日、矢板中央(栃木)と4強入りをかけて戦う。「次の目標は(準決勝の)埼玉スタジアム。単独優勝は目指さなければならない一番上の目標だが、まずは埼玉スタジアムに行かないといけない」と有留。28年ぶりの頂点まで、シュートを防ぎ続ける。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)