農業部、おもてなし部… 龍谷が部の中に7つの「部」を置く理由、初戦敗退も確かな変化
第98回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦が首都圏8会場で行われた。NACK5スタジアム大宮では専大北上(岩手)が龍谷(佐賀)を3-1で破った。Jリーグ福岡などでプレー経験のある太田恵介監督率いる龍谷は、2年連続の初戦突破とはならなかった。
太田監督はJリーグ福岡などでプレー経験
第98回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦が首都圏8会場で行われた。NACK5スタジアム大宮では専大北上(岩手)が龍谷(佐賀)を3-1で破った。Jリーグ福岡などでプレー経験のある太田恵介監督率いる龍谷は、2年連続の初戦突破とはならなかった。
持ち前の堅守が崩れた。県大会5試合を無失点で勝ち上がってきた龍谷イレブン。太田監督は「ラインを上げられなかったのが敗因。もっと勇気をもって上げなければならなかった」。相手の攻撃に押し込まれ、全体的に下がり目の陣形となってしまった。前半30分までに3失点。後半27分にMF大石遼馬(2年)のパスをゴール前で受けたMF石橋啓士(2年)が左足で決め、1点を返したが、反撃もここまでだった。
今年の新人戦後、サッカー部の中にさらに“部”を置いた。トレーナー部、審判部、おもてなし部、農業部、映像分析部、環境美化部、ヒラソール部の7つだ。農業部では、地元の農家の畑で収穫等をお手伝い。おもてなし部は試合などで観客用に椅子やを用意。ヒラソールとは地元のサッカースクールの名称で、幼児等にサッカーの楽しさを教える。部員は全員いずれかの部に所属し、休養日である毎週月曜日に活動を行うという。
なぜ“部”を設けたか。その理由を、太田監督は明確に話した。
「今日の戦い方もそうだけれど(試合では)自分たちで意思決定、行動していかなければならない。僕が小さい頃は、悪さをしたら近所のおじさんが怒ったり、地域の人が育ててくれた。農家のおじさんたちが『そんなだらしないことじゃダメだ』と言ってくれたり、地域と関わりを持てば生徒にも責任感が出る。青森山田は日本一のチームだからダラッとしたらダメだ、というのがあると思う。僕も現役の時、見られる立場で変なことはしてられない。そういう風に育てていきたいしコミュニケーションをとってほしい」