元日本代表主将が「田村優を彷彿」と絶賛した逸材も 師走の花園で輝いた“金の卵”たち
30日に大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われた全国高校大会2回戦では、2連覇を狙う大阪桐蔭(大阪第1)や春の選抜大会を制した桐蔭学園(神奈川)などシード校も登場。強豪校はいずれも締まった内容で順当勝ちを収めた。
30日に行われた2回戦16試合から、存在感放った逸材たちを一挙紹介
30日に大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われた全国高校大会2回戦では、2連覇を狙う大阪桐蔭(大阪第1)や春の選抜大会を制した桐蔭学園(神奈川)などシード校も登場。強豪校はいずれも締まった内容で順当勝ちを収めた。
日本ラグビー協会のリソースコーチとして高校日本代表やU20日本代表などの指導にもあたっている菊谷崇・元日本代表主将(現Bring Upアカデミー所属)による寸評を加えながら、本年度の高校ジャパン候補選手を中心に、「1年で花園が一番忙しい日」と評される30日の全国高校大会2回戦16試合で光り輝いていた、“サクラの卵たち”のプレーぶりを紹介する。
3年連続して春の選抜大会を制した桐蔭学園は「関東であれば、間違いなくシード校」(藤原秀之監督)という実力を誇る長崎北陽台(長崎)との初戦となった。
1回戦で、長らく三洋電機~パナソニックで主将を務めた霜村誠一・元日本代表CTBが監督を務める桐生第一に対して53-0という完璧な試合ぶりを見せて勝ち上がってきた長崎北陽台に対して「いいプレッシャーをもらった」(同監督)という面はあったものの、前半から試合を支配。
1本目のトライを奪ったPR床田淳貴副将をはじめ、HO平石颯、LO安達航洋、同・青木恵斗、NO8佐藤健次と、ズラリと高校ジャパン候補が並ぶFW陣がしっかりと体を当てながら、自分たちの優位性を確認しつつゲームをコントロールした。
「今日は個々の能力が際立つというよりは、チームとして機能していた。前半はディフェンスではブレイクダウンにはさほど入らずに、後半はディフェンスから仕掛けていた。しっかり統率が取れていた」
菊谷氏が仕事ぶりをそう高評価したFW陣の後ろで、抜群のゲームコントロール力を見せたのが、SO伊藤大祐主将。「アタックでは、パス、ラン、キック全部レベルが高く、華やかなプレーができる。チャージされた後も必死に戻ったり、ひたむきにプレーする点もいい。才能が光っている」と菊谷氏。裏のスペースの使い方などは「田村優(現日本代表SO)を彷彿とさせる」と絶賛する。
後半13分に、左へ、右へとグラウンド幅をいっぱいに使ったキックパスを連続して通して奪ったトライは、スペースの見極めも、発想力も、スキルも、全てが一級品であることを証明するかのようなプレーだった。
一方、その伊藤に対抗するかのように、キックに、そして力強いランに、存在感を示したのが、長崎北陽台のFB山口泰輝。
「崩しに行くランニングスキルも素晴らしいし、今回はキックの精度も見せた。味方からすると、一番後ろにいるとすごく頼もしいタイプで、すべての能力が高い」(菊谷氏)
試合終了間際には意地のトライも奪ってみせた。