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「目指せ、国立!」 松井大輔が「恐ろしい記憶しかない」高校サッカーを頑張れたワケ

サッカー元日本代表MF松井大輔。希代のテクニシャンとして、その技術を武器に日本のみならず、フランス、ポーランド、ブルガリアと海外を渡り歩き、38歳となった今なお、Jリーグのピッチを走り続ける。そんな男がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアからサッカー哲学まで、独自の思いを語り尽くした。

「目指せ、国立!!」 この言葉こそが松井大輔の高校サッカーの原動力だった【写真:小倉元司】
「目指せ、国立!!」 この言葉こそが松井大輔の高校サッカーの原動力だった【写真:小倉元司】

松井大輔インタビューvol.3―鹿児島実業で選手権準Vの名手に残る記憶

 サッカー元日本代表MF松井大輔。希代のテクニシャンとして、その技術を武器に日本のみならず、フランス、ポーランド、ブルガリアと海外を渡り歩き、38歳となった今なお、Jリーグのピッチを走り続ける。そんな男がこのほど、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアからサッカー哲学まで、独自の思いを語り尽くした。

 全3回に分けてお届けする最終回のテーマは「高校サッカーの記憶」について――。

 ◇ ◇ ◇

「目指せ、国立!!」

 鹿児島実業高校サッカー部の部室の壁に大きく貼り出された文字は、プレーヤーにとっての夢であり、目標であり、そして気持ちの拠り所だった。

 全国大会の常連校ともなれば、どの高校も文字通り血の滲むような努力を重ねている。好きで始めたサッカーをやっているのに、いつの間にか苦しみに似た感情を伴っているのだから不思議だ。

 高校時代を回想する松井大輔の表情が、途端に苦々しくなった。

「これまでのサッカー人生の中で、小学校と高校の時が一番記憶に残っています。小学校の時は毎朝5時に起きて、オヤジと6時から走りに行って、毎日の練習もすごく厳しかった。でも高校の時は、それよりももっとキツくて。しごかれ過ぎて、正直言っていい思い出はないです(苦笑)。坊主にするというルールもあったし、上下関係も厳しかった。逃げ出したい気持ちになったこともたくさんあります」

 松井にとって、後にも先にもあんなに厳しく、苦しい日々はなかった。雨が強く打ちつける日も、冷たい風が吹きすさぶ日も、与えられたメニューをこなすことで精いっぱいだった。

「毎日16時から4時間くらい練習して、その後に陸上部と同じような走りのメニューが始まるんです。長い練習の後に走りのトレーニングを行うのがルーティーンになっていて、素走りのメニューも400メートル×5本が基本。完走する目標タイムが決められていて、たしか1分5秒とか1分10秒なので、ほぼ全速力です(苦笑)。それに間に合わないと1本追加。もちろん朝練もあったし、夏合宿は三部練習で徹底的に鍛えられる。もう恐ろしい記憶しかありません」

 それでも、頑張れた理由がある。冒頭の文字こそが、高校サッカーに身を置く者にとってのすべてだった。

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